サステナブル商品化率の拡大・強化へ・・・カーテン等窓まわり商品市場の活性化、需要喚起・拡大をめざして
はじめに・・・今年のJAPAN TEX 2024では、独のHEIM TEX2024同様に、2030年のSDGs開発目標達成に向けた「サステナブル商品」の政策提案や商品デビュー等々、大いな盛り上がりを期待したものの、一部を除き期待は見事に外れました。人と環境にやさしい、環境配慮型の製品開発や社会課題解決に向けた取組みが、窓まわり商品では具体的に進んでいないのではないかと思われる程に・・・静かな展示会でした。
1)「つくる責任・つかう責任」の進捗状況は最下位の「深刻な課題がある」という評価である
2024年のSDGs報告書によると、2030年SDGs開発目標12「つくる責任・つかう責任」の進捗評価は最下位の『Major challenges(深刻な課題がある)』となっています。日本の目標達成度は不十分な状況にあり、その中でも、窓まわり商品領域においてはかなりの出遅れ感があるものと想定されます。
2)カーテン市場の大幅な減少、歯止め対策は業界挙げて取り組むべき喫緊の政策課題である
(一社)日本インテリア協会の調査・発表によると、2023年度のカーテン市場は前年対比6,7%減の950億円と大幅な減少となりました。特に、国産カーテンへの影響は大きく、日本カーテン協会の調べによると、前年対比17,0%減と大幅な生産量の落ち込みとなっています。この10年来、カーテン市場の減少傾向は続いており、減少への歯止め対策や市場活性化は喫緊の経営課題となっております。
窓まわり商品市場の活性化、需要喚起・拡大に向けて、サステナブル商品化率の拡大・強化は最重要政策課題の一つであり、環境配慮、再資源化を見据えた商品開発や、不要になった窓まわり商品の単純焼却・埋立処分の現状から、産業廃棄物の削減、再利用など再資源化率100%をめざした「ものづくり」等々、循環型社会の実現に向けた製品開発・技術開発への取組みを加速していく必要があります。
3)来年のJAPAN TEX2025にはHEIM TEX2025に遅れをとることなく
JAPAN TEX2025においては・・・カーテンやロールスクリーン等メカモノ商品領域ともに、これまでの環境負荷の高い、ポリエステル等化石資源素材依存型製品から、環境配慮型素材・エコマテリアルによる「環境調和型製品」の開発・導入等々、サステナブル商品化率の拡大・強化による大々的な政策展示や循環型社会の実現に向けた具体的な成果の発表等を期待したいものです。
4)ロールスクリーン、バーチカルブラインド等繊維系WT商品に期待したいのは
2030年のSDGs開発目標達成に向けて、特にロールスクリーン等において期待したいのは、これまでのポリエステル100%依存の製品開発からの脱却を図り~人と環境にやさしい天然繊維や植物由来素材による商品開発力や加工技術力の強化・確立によるサステナブル商品の拡大・強化を期待したいところであり、消費者との共創・協働による持続可能な社会への貢献と企業価値向上を図っていきたいものです。
***これまでのヨーロッパ後追い型の商品開発スタンスから~対ヨーローパ発信型の商品開発、技術開発へと舵を切り、窓まわり商品市場へ新たな風を起こし、市場の活性化、元気に繋げていきたいものです。***
—「BLOG・インテリア余話」インテリア技術開発研究所—