【提言・用語の整理・呼称の統一に向けて】・・・ レースとドレープ機能を兼ね備えた1台二役の『バーチカルブラインド』が各社各様の用語・商品呼称で発売中
レースとドレープ機能を兼ね備えた、バーチカルブラインドが各社各様の呼称で発売されています。シェード、カーテン、調光ブラインド、ツインタイプなどなど、各社それぞれの用語・商品呼称で市場に出回っています。左右開閉、ルーバーの角度調節による調光機能等の基本的仕様は、従来からのバーチカルブラインドそのものであり、業界で広く、共通に認知され、消費者にわかりやすく、愛される製品として、用語の整理、呼称の統一が必要ではないかと考えられます。
1、発売中の各社各様の呼称は次の通り・・・
2024年12月、トーソーから「バーチカルブラインド・デュアルツイン」、ニトリから「バーチカルブラインド・ツインタイプ」が相次いで発売され、市場では次の通り各社・各様の呼称で出回っています。
呼 称 | メーカー |
スマートドレープシェード | ノーマン ジャパン |
スマートカーテン | ヨシダ工業サービス(沖縄) |
バーチカルシェード | WIS(広島) |
調光タテ型ブラインド | タチカワブラインド |
バーチカルブラインド・デュアルツイン | トーソー |
バーチカルブラインド・ツインタイプ | ニトリ |
バーチカルブラインド・バックレースタイプ | ニチベイ |
2、1990年当時の「ローマンシェードの呼称統一」問題と状況は同じである
(1)ローマンシェードの呼称統一問題とは・・・1990年、ローマンシェードが市場に出回り始めた当時と状況は全く同じです。当時のローマンシェードは「ローマンシェード、ローマンカーテン、たくしあげカーテン、窓掛け、カスケード、チリチリカーテン」などなど、各社各様の商品呼称やスタイル名で呼ばれており、業界として用語の整理・呼称の統一が必要であるということで、日本インテリアファブリック協会の中に「ローマンシェード呼称委員会」が設けられ、各社各様の思惑・政策の中で調整は難航し、呼称の統一に至るまでには委員会の開催・協議を幾度となく重ね、最終的には、業界として用語の整理・呼称の統一を図ることができ、現在の「ローマンシェード」という統一呼称に至っています。
(2)窓まわり商品の用語の整理・確認について・・・同委員会では「カーテンとは・・・シェードとは・・・ブラインドとは・・・スクリーンとは・・・」の窓まわり商品の用語の整理・確認も行い、当時、ロールスクリーンは「ロールブラインド、ローラーブラインド」と呼ばれていましたが、ブラインドではなく、スクリーンとして、「ロールスクリーン」に統一していこうとなり、カタログでの呼称変更等市場は順次切り替わり、現在の「ロールスクリーン」という統一呼称に至っています。
3、窓まわり商品の用語の整理、商品呼称の統一に向けて・・・
1)発売中の各社製品は・・・従来からの「タテ型ブラインド=バーチカルブラインド」の特長である、左右開閉、ルーバーの角度調節による調光・採光機能を基本仕様とするものであり、
2)ルーバー部がレースとドレープで構成されており、各社若干の仕様の違いはあれど「カーテン、シェード、調光、ツイン、バックレース」と各社各様の用語、商品呼称で発売されています。
3)本来、バーチカルブラインドはルーバーの角度調整・回転機能により、調光・採光コントロールを最大の特長とする窓まわり商品であり、用語の整理と商品呼称の統一がのぞまれるところです。
4)カーテンとは、シェードとは、ブラインドとは、スクリーンとは・・・今後、2030年に向けて、窓まわり商品は複合機能型の製品開発等が増加していくことが予測される中にあって、将来に渡って市場や呼称が混乱することのないよう、業界として、改めて「カーテンとは、シェードとは、ブラインドとは、スクリーンとは・・・」用語の整理が必要ではないかと考えられます。
関係業界、団体等においては、将来に渡って、業界全体で広く、共通に認知され、消費者にわかりやすい、愛される製品として、今一度、窓まわり商品の用語の整理、呼称の統一をご検討いただきますよう・・・当研究所は願っております。
(尚、先の2023年8月24日、当ブログ上で公開の「窓まわり商品の用語の整理、呼称の統一問題等」も併せてご参照ください)
***[BLOG・インテリア余話」インテリア技術開発研究所***
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