【ユーザー・インターネット時代へ】・・・ユーザー向け提案力・情報発信力が問われる時代へ・・・見本帳ビジネスのあり方を考える

2030年に向けて、時代はユーザー・インターネット時代へWEBサイトの活用による情報・商品の選択、購買意思決定へ・・・2023年度のインターネット利用率は90%に迫るまでに増加しており、BtoC-EC市場は年々増加傾向にありこれまでの見本帳ビジネスのあり方も変化していくものと考えられます。

1)EC取引は年々増加傾向にあり・・・

経済産業省・商務情報政策局の「2023年度の電子商取引に関する市場調査」報告によると・・・EC取引は、年々増加傾向にあり、BtoC-EC市場は成長率が高く、2023年度の生活雑貨・家具・インテリア市場は前年比5,0%増,EC化率は31,5%となっています。

*EC取引とはインターネットを利用して受発注がコンピューターネットワークシステム上で行われることを要件とする取り引きをいう。

2)カーテン、ロールスクリーン等窓まわり商品はEC販売と相性が良い商品である・・・

経産省の同調査報告によると・・・家具やインテリア商品は物理的なサイズが大きいこともあり、豊富なラインナップを取り揃えるには売り場や在庫の制約がある。またサイズや色に関して、各家庭のニーズに合わせて様々な取り揃えが求められ、この点、ECサイトでは同じ商品の色違いやサイズの違いの掲載が可能となり、部屋のコーディネートもパターン別に紹介することが出来るなど、家具・インテリア商品はEC販売と相性の良いカテゴリーといえます。

また、拡張現実(AR)の技術を使い、家具やインテリア商品を自宅の部屋に置いたイメージをスマートフォンで確認できる機能を提供する事業者も近年増えており、こうした技術の活用により、購入前に実店舗で実物を確認したいといった需要が根強い家具やインテリア商品について、部屋の広さや雰囲気に適しているかを把握しやすくなり、ECサイト上で消費者の嗜好や生活様式に寄り添った商品を提案する技術も進化しており、新たな需要の発掘が期待されます。

*拡張現実とはAugmented Realityの略で、現実世界にデジタル情報を重ね合わせ、現実を拡張する技術であり、より効率的に、より便利な社会を実現することをいう。

3)2030年に向けて、見本帳ビジネスのあり方も変化していく・・・

『「実物を見てから購入する」から・・・顧客のニーズ、生活シーンに寄り添った、自宅にカーテン、ロールスクリーンを吊したイメージを、WEBサイト上で視認・確認出来る商品・サービスの提案、提供が、2030年に向けて更に拡大していくものと予測され、これまでの見本帳ビジネスの見直しが求められる時代の到来が予見されます』

1980年代にロールスクリーンを国内で初めて上市した当初は、今の様なカット生地を貼付した見本帳ビジネスでなく、ヨーロッパのメーカー同様に、取付・使用事例写真を豊富に掲載し、お客様がロールスクリーンのある我が家の暮らしぶりやイメージを重ね合せながら、見て楽しい、カタログの提供と別途生地見本という、現行の見本帳ビジネスとは違うビジネススタイルでした。現行のカット生地を貼付した、分厚い見本帳は多額の経費と回収・分解・廃棄等環境問題を抱える中にあって、上記のようなカタログビジネスを今一度検討してみる必要があろうかと考えられます。

2030年に向けて、窓まわり商品市場を取り巻く経営環境が大きく様変わりしていく中にあって、自社・自店の強み・ブランディング力を如何に発揮・発現していくか・・・現行の見本帳ビジネスから、お客様へのプレゼンテーション力や情報提供のあり方、提案力が益々重要になってくるものと考えられます。 

窓まわり商品市場もこれまでのBtoBから~BtoCへ、これまでの見本帳ビジネスも変化していくものと考えられ、エンドユーザーを対象とした、多様化するニーズや生活シーンに寄り添った、提案力や情報発信力が問われる時代へと、ビジネスの軸足が移っていくのではと考えられます。

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