プリーツスクリーン市場の大幅な減少・・・プリーツスクリーンの良さを見直し、市場活性化・需要拡大策が急がれます
近年、プリーツスクリーンはロールスクリーンやバーチカルブラインド等、他のメカモノの影に隠れて、話題になることも少なく、新たな新製品の市場投入もなく、この10年で市場規模は大きく減少しています。和室の減少の影響といわれていますが、本質の原因は何処にあるのか・・・市場活性化、需要拡大策の投入が急がれます。
1)この10年間のプリーツスクリーンの市場規模動向とその概要(単位億円)
2014年度 | 2017年度 | 2021年度 | 2023年度 | 2023年度/2014年度対比(%) |
62,5 | 57,7 | 57,2 | 51,9 | 83,0% △10,6億円減 |
*出所 一般社団法人・日本インテリア協会「市場規模の策定」調査報告より引用・作成
メカモノの中で、バーチカルブラインド、ロールスクリーンは堅調に売上げを伸長していますが、プリーツスクリーンは減少傾向に歯止めがかからず、この10年間で大きく市場規模を縮小しています。
日本インテリ協会の「市場規模の策定」によると、プリーツスクリーンの市場規模減少は新設住宅着工戸数の減少と和室減少の影響であるとの見立てになっており、
プリーツスクリーンは、10年前の2014年度62,5億円をピークとして、2023年度には51,9億円、2014年度対比で△17,0%、△10,6億円までに市場は落ち込んでいます。
住宅における和室、畳コーナーは年々減少傾向にあり、間取りとして和室があっても、居室面積の減少率が大きいという傾向が続いており、マンションの間取りでは和室・畳コーナー共に見かけることが少なくなっているということが、プリーツスクリーンの市場規模減少の要因の一つと考えられます。
2)プリーツスクリーン本来の和風イメージからの脱却、新プリーツ形状・デザイン開発へ・・・
各メーカーからは和風から~モダンまで、和洋室を問わず、幅広い住環境に対応するということで、スクリーン部分については和紙から織物、レース、不織布までの品揃えとなってはいますが、1990年代当時の上市以来、プリーツスタイルそのもの、プリーツ加工技術そのものは何ら変わることなく今日に至っています。
「プリーツ上に折り、タタミ上げる、単調なスタイル」そのものが障子のような、和のイメージが強く、モダンへの広がり等需要拡大に繋がらない要因ではないかと考えられます。
プリーツスクリーンの市場活性化、需要拡大に向けては、和室に限らず、モダン領域への対応力強化、用途拡大が必要であり、スクリーン部の質感、表現力強化やスタイル開発による「新・プリーツスクリーン」の誕生が待たれるところです。
■スクリーン部の表情・表現力の研究、スタイル開発とは・・・現在、各メーカーから発売されているシングルスタイル、ツインスタイル、アップダウンスタイルのことではなく、プリーツの形状・デザイン・機能開発のことを指しており、『シワ加工やカレンダー加工、オパール加工やエンブロイダー加工等々、各種加工方法の応用研究によるスクリーン部の質感・表情・表現力強化』や、『プリーツ加工技術開発による、プリーツをグラデーション風に取ってたたみ上げたり、変形デザインのプリーツやヒダを取ってたたみ上げたり、トップ&ボトムバランスによるモダンな装い方等々』・・・今までにはない、新しいプリーツ形状・デザイン、機能開発等々による商品力の強化を目指していこうということです。
他の窓まわり商品にはないプリーツスクリーンの良さ、機能を今一度見直し、市場の関心がプリーツスクリーンに向けられるよう、「新・プリーツスクリーン」の投入による市場の広がり、需要拡大を期待したいものです。
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