東レ繊維研究所 所長 荒西義孝氏講演より・・・『繊維産業におけるサステナビリティ実現に向けた東レの取り組み』について

先の5月15日(木)開催の「高機能素材展」、「リサイクルテック展」において、東レ株式会社 繊維研究所 所長 荒西義孝氏による『繊維産業におけるサステナビリティ実現に向けた東レの取り組み』と題する講演がありました。・・・2030年に向けて、環境配慮型繊維素材の使用・拡大が更に進んでいくものと考えられます。

🔶東レの環境配慮型繊維素材の取り組みについて、     

東レグループは環境配慮型繊維素材として再生型リサイクル素材、バイオマス由来素材として、次の3つのブランドを展開中。

■ECOUSE・・・再生型リサイクル素材ー再生型ポリエステル、原材料はペットボトル、フイルム屑でプラスチック製品の再生利用。

■&+(アンドプラス)・・・環境への配慮と同時に高品質・高機能を両立した、使用済みペットボトルを原料としたリサイクル繊維。バージンポリエステルと変わらない白さ,高い白度を実現とのこと。  

■ecodear・・・「サトウキビ」からの植物由来ポリエステル。サトウキビから砂糖を作る際の副産物としてできる「廃糖蜜」を原料として、石油由来のポリエステルの30%部分を占めるエチレングリコロールを植物由来に変えた、部分植物由来ポリエステル。石油由来100%のポリエステル繊維と基本的な品質、性能は同等であるとのこと。

***ペットボトルのリサイクル率は日本では85%となっており、ヨーロッパは42%、アメリカでは19%に留まっているとのことであり、『近年は分別技術、分離・精製技術が確立され、再生でないバージンポリエステルとは遜色ないものとなっており、単純リサイクルから~UPリサイクルへ、高品質・高付加価値化が進んでいるとのことである』 また、T/C混においても,綿とポリエステルの分別・分離が可能となってきたということです。***

2030年に向けて、東レ等 原糸メーカーによる環境配慮型素材の供給・拡大等、サステナブルな取り組みは更なる広がりを見せていくものと考えられ、窓まわり商品市場においても、石油由来のポリエステル100%からの脱出、環境に配慮したサステナブル商品の拡大等は時代の要請であり、持続的社会の実現に向けての取り組みを加速していく必要があります。

***「BLOG・インテリア余話」インテリア技術開発研究所***