カーテンの市場規模回復に向けて

カーテン市場規模回復への新たな「しかけづくり」とカーテン産地の活性化に向けて(提言)

NIF(日本インテリア協会)の2020年度の「市場規模の策定」報告によると

カーテンの市場規模は996,2億円と1,000億円を割り込む迄に縮少し、その中で

国産品は494,0億円と500億円を下回る結果となりました(数字は卸売価格)

2020年度は新型コロナの影響や、10年来の新設住宅着工戸数の減少、

コロナ禍で販促活動に制限が生じた等々の影響があるようですが、

この10年来,カーテンの市場規模減少に歯止めがかかっていません。

   2010年度1,106億円⇒2020年度996億円(2010年度対比で90,1%

一方、ロールスクリーン等スクリーン類は、

この10年間で堅調に市場規模拡大を図っております。

  2010年度316億円⇒2020年度371億円(2010年度対比で117,4%)

ロールスクリーン類の年々の市場規模拡大の要因がどこにあるのか・・・

スクリーン類のベンチマーキングがカーテン縮少のヒントになるかと考えらる。

近年は「窓の形状とWT商品の相性変化」や「窓の小窓化」「電動化」が進み、

消費者の嗜好も様変わりしてきております。

これら動きに対して、俗にメカ物と呼ばれているロールスクリーン等は適応力に

優れ,顧客要望に添った「商品の提供・サービスの提供」が比較的タイムリーに

出来ていることが考えられます(小窓対応メカ・機構の更なる改善・研究は必要)

もちろん専門店等の皆様の販促活動の結果であることは言う迄もありません。

消費者の問い合せや不満の中で、近年増えてきた「スリット窓」への問い合せが

多くなっているようですが、

カーテン業界ではどのようなスタイル提案やデザイン提案、取付提案等の

ソフトやサービスの提供がなされているのか・・・

もう少しの業界挙げての発信力や提案力の強化を期待したいところです。

かって「スタイルカーテン」が花開いた時期がありましたが、

「出窓」が流行になり、カーテンレールメーカーは「出窓専用レール」を発売し、

カーテン業界では「スタイル開発・デザイン開発」を競い合い、顧客需要に応えたように、

カーテンの市場規模縮少やカーテン産地の生産量の落ち込みに対し、

新たな仕掛けや需要喚起を期待したいところです。

小窓やスリット窓が増え、カーテン地の要尺が少なくなる中で、

が必要であり、例えばイタリアでは、

窓の半数近くに「パネルスクリーン」が取付けられていると言われており、

店頭では「パネルスクリーン用ファブリックス」がパックで販売されています。

消費者は好みの生地やデザインを買い求めていくといった具合であり、

国内でも窓の「ハイサッシ化・ワイドスパン化」が進み、タワーマンションなど

もっとパネルスクリーンの良さを見直し、販促活動を強化すべきと思われます。

(機構的にはもっとメカ部のコンパクト設計や高度デザイン化等が必要)

また、間仕切り用途としてもパネルスクリーンは期待される商品の一つであり、

更なる需要喚起を期待したいところです。

カーテン市場の立て直し、活性化に向けて

             ・・・窓の新たな装い方提案と用途開発・拡大へ    

***「BLOG・インテリア余話」インテリア技術開発研究所***