カーテン&メカモノのこれまでとこれから・・・

これまでの「窓とカーテン」の歴史の中で、カーテン市場の新規開拓・需要拡大の節目節目で、カーテンレールがエポックメーキングの役割を果たしてきております***カーテン市場の立て直し・新規需要の掘り起こしに向けて、カーテンレールが今一度、新たな牽引役を果たすときです***

日本インテリア協会の「市場規模の策定」調査によると、カーテンは年々市場規模を縮小し、2021年度の市場規模は1,000億円を割り込み、964億円までに落ち込みました。一方で、メカモノの2021年度の市場規模はスクリーン類366億円+ブラインド類306億円=計672億円と、年々市場規模を拡大しており、今回のBLOGでは「カーテンおよびロールスクリーン等繊維系WT商品のこれまでとこれから・・・」について、次の通りお届けさせて頂きます。

1,カーテン等繊維系WT商品の市場規模動向(NIFの調査資料より引用作成)単位;億円

2010年度2015年度2020年度2021年度2021/2010
カーテン         1,106 1,127 99696487,2%
ロールスクリーン 196 236263263134,2%
ローマンシェード 68 60484566,2%
プリーツスクリーン 52 576057109,6%
バーチカルブラインド 58 646072124,1%

繊維系WT商品・計

1,480

1,544

1,436

1,401

94,7%

2,カーテン市場のこれまでとこれから・・・

1)カーテン市場のこれまでと今後の課題等

2021年度のカーテン市場は964億円と年々の市場規模縮小に歯止めがかからず、2010年度対比では87,2%、この10年余りの間で▲142億円もの市場規模縮小をきたしており、カーテン市場縮小への歯止め対策やカーテン産地の活性化等が喫緊の経営課題となっておりますが・・・

業界挙げて「何とかしなければ・・・」という問題意識や需要喚起に向けての動きが見られない、声が聞こえて来ない中にあって、カーテンレールメーカー等を始めとしたカーテン市場の立て直し、新たなメカ機構の研究開発による戦略の再構築が求められるところです。

2)新たなメカ機構開発によるカーテン市場の立て直しに向けて

これまでの「窓とカーテン」の歴史の中で、節目節目でカーテンレールがエポックメーキングの役割を果たしてきております。(要点部分のみ抜粋)

◈戦後のカーテンロッドの時代から・・・金属製レール、樹脂製レールが発売され、広く普及してくると、これまでのカーテンロッドの時代から「カーテンレールにカーテンを吊す」というスタイルが普及、定着していき、一枚モノの窓掛けの時代から~ヒダを取り、プリーツスタイルのカーテンへと市場は大きく様変わりしていきました。

◈工事用カーテンレールでは・・・「Wブラケット」が多く使われるようになり、店頭では「伸縮カーテンレール・Wセット」が爆発的に売れ、「ドレープ+レースカーテン」のダブル付が広く普及、一般化していきました。

◈スタイルカーテンがトレンドとなると・・・カーテン市場はスタイル・デザインを競い合い、装飾性レールや出窓専用レールが広く使われるようになり、スタイルカーテン全盛の時代となりました。  

1990年代には装飾性レール全盛の時代へ・・・「木製カーテンレール」がトレンドとなり、装飾性カーテンレールの全盛期を迎え、カーテンおよびカーテンレール市場規模はこれまでの最大を記録しました。

このように、時々の市場変化や顧客のライフスタイルの変化等に適時・適宜に応え、仕掛けていったのは、先ずはメカ機構の開発ありきであり、カーテンレールと本体であるカーテンファブリックスが上手くコラボしあって、新規市場の掘り起こし、需要拡大に繋げていったという見方が出来ます。

これら歴史上の成功事例をベンチマーキングとして、明日の「ものづくり」を担う政策スタッフの皆様に期待したいのは・・・近年の窓の形状変化や顧客のライフスタイルの変化に対して、新たな発想による革新的なメカ機構の開発等による窓の装い方や需要拡大策であり、例えば、顧客の皆さんから問い合せの多いスリット窓やFIX窓の装い方の研究やメカ機構の開発や、ハイサッシ・ワイドスパンの窓にはパネルスクリーンの普及拡大策なども研究開発の対象として・・・カーテン市場の活性化に向けて新風を吹き込んでいただけるよう期待しております

3,ロールスクリーン等メカモノ市場のこれまでとこれから・・・

ロールスクリーンは2021年度/2010年度対比では134,2%と大幅な市場規模拡大を図っており、バーチカルブラインドも窓のハイサッシ化等により124,1%と堅調に市場拡大を図ってきております。

メカモノにおける中長期的政策課題としては・・・窓の形状とWT商品の相性変化や窓回りの電動化等スマートな暮らしぶりへの対応力強化や、消費者のSDGsへの社会的関心が高まる中、環境配慮型商品の強化や社会貢献に繋がる「ものづくり」等が求められ、これまでのメカモノの好調さに甘んじることなく、顧客要望に寄り添った顧客優位・市場提案型の商品開発や情報・サービスの提供がますます重要になってまいります。

ロールスクリーン等のメカモノの中長期展望と具体的な重点政策課題の詳細等については、当研究所発行の「WITHコロナ時代のものづくりの方向性を探る」を参照ください。

ーーーインテリア技術開発研究所「BLOG・インテリア余話」よりーーー

  カモノ市場のこれまでとこれから・・ロールスクリーン等メカモノ市場のこれまでとこれから・・・ロールスクリーンは2021年度/2010年度対比では134,2%と大幅な市場規模拡大を図っており、バーチカルブラインドも窓のハイサッシ化等により124,1%と堅調に市場拡大を図っております。