脱炭素社会の実現に向けてー非住宅木造市場への取組み強化へ

脱炭素社会の実現に向けて、企業のSDGsやESGへの取り組みが本格化する中にあって、非住宅市場においては、これまのSRC構造から~SRC造+木造の組み合わせによるハイブリット構造のオフィスビルやホテル等の商業施設の建築が増加してくるものと予測されます。

◈矢野経済研究所によると・・・非住宅木造市場は新型コロナやウッドショックの影響から回復基調に転じ、2022年度の非住宅木造市場規模は床面積ベースで前年比102,1%の3,600千㎡、工事費予定額ベースで102,5%増の6,100億円と予測されております。2025年度には床面積ベースで124,8%(2021年度比)4,400千㎡、同工事費ベースで129,4%増の7,700億円迄拡大すると予測されており、環境負荷軽減に大きく寄与する非住宅木造建築物は今後ますます増加していくと見込まれています。

◈高層建築物への木材利用の竣工事例では・・・札幌大通公園のロイヤルパークキャンパス(11階)やフラッツウッズ木場(12階)があります。計画中では東京海上グループの新本店ビル(20階)や第一生命ビル・京橋(12階)など、令和5年以降多くのオフィスビルや商業ビル建設が計画されており、これからの非住宅木造市場は森林資源の循環利活用による国産材の需要拡大・利用促進がますます進むものと考えられます。

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◈非住宅市場の木材化・木質化の市場拡大の中にあって・・・窓回り商品は如何に対応していくか、販売&商品戦略の再構築が問われるところです。非住宅市場向けハイスペック・高機能スクリーンの開発強化や、木製品においては木の持つ温もり感や高質感、高い断熱性や調湿性等を訴求した、環境に優しい「本物指向商品」の強化や、防炎ということでは現行の木調樹脂製ブラインドでなく,木製スラットそのものの防炎加工技術の確立による木製ブラインドの開発が求められるところです。

現行の木製ブラインドは消防法で定める高層建築物等に取付・使用が義務づけられる「防炎物品」ではなく「防炎製品」の扱いとなっていますが、天然木100%の「防炎製品・木製ブラインド」として、安全安心を持って非住宅市場に提案・提供出来るよう願うところです。

◈新設住宅需要依存の経営体質からの転換・・・新設住宅着工戸数は年々減少傾向にあり、窓の形状と窓回り商品の相性変化や消費者のライフスタイルの変化等、室内装飾事業を取り巻く経営環境が大きく様変わりしていく中にあって、新設住宅需要依存のビジネスモデルから⇒これからは「非住宅木造市場」や「リノベーション住宅市場」の攻略、販路開拓がますます重要になってくるものと考えられます。

ーーーインテリア技術開発研究所「BLOG・インテリア余話」よりーーー