<大学発・知財情報>富山大学にアルミリサイクル技術の研究開発拠点『軽金属材料共同研究棟』が完成
富山大学に日本で初めてのアルミリサイクル技術の研究開発拠点『軽金属材料共同研究棟』が完成。アルミスクラップの回収~選別~精錬~加工まで・・・2024年1月からの本格稼働をめざすというものです。
1,リサイクルアルミを通じた循環型経済社会の実現へ
10月23日、富山大学にアルミニュームのリサイクル技術の研究開発拠点「軽金属材料共同研究棟」が完成、開所式が行われました。
アルミニュームのリサイクル技術を研究開発し、産業実装に繋げる日本初の施設であり、産官学共同事業として,Ykk AP、三協立山が協力機関として参画しており、アルミスクラップの回収・選別・精錬・加工まで、2024年1月からの本格稼働をめざすとなっています。
開所式で富山大学の齋藤滋学長は『この研究棟はアルミリサイクル技術の開発と同時に、産官学が取組む資源循環型社会システムへの変革モデルを富山から発信するための拠点である』と述べられており、
国内においては、原材料であるアルミ新地金は100%輸入に依存しており、10年後には輸入地金の量を半減させることを目標としており、リサイクルアルミを通じたサーキュラーエコノミー・循環経済社会を実現するというものです。
YKK AP等サッシメーカーでは市中のアルミスクラップ材においても使用量の拡大、再生地金の積極的活用が進んでおり、サッシ業界全体でアルミのリサイクル化への取り組みが更に加速していくものと考えられます。
2,窓回り商品におけるアルミ材の回収~リサイクル化への社会的課題解決に向けて・・・
日本インテリア協会による「2022年度の市場規模の策定」によると、「ブラインド類305億円+スクリーン類358億円+カーテンレール193億円=合計で856億円」からの大きな市場規模を形成しており、その中でヨコ型ブラインドのスラット(羽根)部分をはじめとして、ロールスクリーン、バーチカルブラインドのヘッドメカ部、アルミカーテンレールと多くのアルミ材料が使われております。
しかし、毎年850億円を越える市場創造の一方で、使用されなくなったブラインドやカーテンレール相当量のアルミ材は産業廃棄物として単純埋立処分されており、これら窓回り商品の廃棄アルミ材の回収~リサイクル化への社会的課題解決に向けて如何に取り組んでいくか・・・サステナブル志向社会における事業者責任が求められ、循環型経済社会の実現は時代の要請でもあります。
この度のアルミリサイクル化に向けた富山大学の産官学協働事業の取り組みや、YKK AP等サッシ業界の動きをベンチマークとして、ブラインド業界・カーテンレール業界においても業界挙げてアルミの回収~リサイクルシステムの構築等、循環型経済社会の実現をめざしていただきたいものであり、新たな企業価値の創造と社会の持続的な発展への貢献を期待したいところです。
***「BLOGインテリア余話」インテリア技術開発研究所***