投稿者: admin

既存住宅市場の「断熱・省エネ」リフォームの増加・・・窓まわり商品のビジネスチャンス拡大へ

政府が中古住宅市場の活性化を推進していることにより、既存住宅を購入し、リフォームやリノベーションする動きが増加。断熱・省エネ改修への意識、ニーズの高まりを受け、天井・壁だけでなく,開口部(窓・ドアー)の高断熱化が進んでいます。

■住宅の省エネ・断熱支援事業・・・

国の3省(国交省、経産省、環境省)連携による住宅の断熱・省エネ化への支援事業の後押しもあり、既存住宅の省エネ・断熱窓へのリフォームが増加しています。

■省エネ・断熱基準の適合強化へ・・・

2025年4月1日からは「改正建築物省エネ法」が施行され,新築住宅、増改築部分の断熱等級4の適合が義務化され、2030年までに新築住宅の60%をZEH(ネットゼロエネルギーハウス)にするという目標が定められており,この流れの中で、既存住宅市場も省エネ・断熱改修の加速、スマートホーム、スマートインテリア化が進むといわれています。

■(一般社団法人)住宅リフォーム推進協議会発表の・・・

「2024年度住宅リフォームに関する消費者実態調査報告」によると、リフォームで実現したいことは「省エネ性能を高める」割合が最も高く,特に20~30代、40代の割合は40%を越えており,省エネへの意識、ニーズが高い調査結果となっています。築年数別では、築10年未満で省エネ性能を高める割合が最も高い調査結果となっています。

■新築需要依存の経営基盤の再構築・・・

各研究機関発表の2025年度の新設住宅着工戸数は78万戸~79万戸と予測されており、年々の新築住宅減少の流れは変わらず、室内装飾事業においては、これまでのような新築需要依存の経営から、リフォーム、リノベーション住宅市場への攻略・強化が求められることになります。

■時代の変化、多様化するニーズへの対応力強化へ・・・

サッシ業界においては,脱アルミ化が進み、「2030年までに断熱窓100%達成をめざす」となっており、窓の深化とともに、消費者の意識や生活様式の変化と相俟って、窓まわり商品に求められる窓辺の機能、装い方も大きく様変わりしていくものと考えられます。

これまでのように窓には「ドレープ+レースの2重吊りカーテン」という概念・需要が薄れ、窓まわり商品は「よりシンプルに、よりスマートに、よりサステナブルな」機能や装い方へと市場は移っていくものと予測され、これら時代の変化、多様化するニーズに応えられる、新たな新製品の投入や需要拡大策がますます重要になってきます。

***[BLOG・インテリア余話」インテリア技術開発研究所*** 

 

【決算発表】SUMINOE(株)2025年5月期・第3四半期決算と経営成績の概況等

SUMINOE(株)の2025年5月期・第3四半期決算が発表されました。連結業績では売上高767億3,500万円、前年同期比0,6%減、営業利益は14億9,000万円、前年同期比32,9%減となった。・・・同グループは2024年12月2日、住江織物(株)からSUMINOE(株)へ商号変更。併せて(株)スミノエも (株)スミノエインテリアプロダクツに変更した。この商号変更を契機とし、各事業の収益力および競争力向上をめざし、世界に向けた新たな価値創造に挑戦していくということである。

1、2025年5月期・第3四半期連結業績、セグメント業績(単位、百万円)

 売上高前年同期比営業利益前年同期比
連結業績76,7350,6%減1,49032,9%減
セグメント業績・インテリア事業27,0271,2%増27027,4%減
  〃    ・自動車内装事業47,1910,7%減2,82916,7%減

2、経営成績の概況等

当社グループは中長期計目標「SUMINOE GROUP WAY 2022~2024~2027」の後半3カ年「STEP Ⅱ2025~2027」の方針の下、実力の底上げを確実に進める期間と位置づけ、各種施策を推進しているということであり、インテリア事業においては,インバウンド需要の回復に伴うホテルなどの改修物件の増加に対応し,多数のホテルにカーテンやカーペットがされたということである。

1)連結業績は

当グループに関連のあるインテリア業界において、国内の新設住宅着工戸数は前年同期比2,6%減、非住宅分野では着工床面積が同11,7%減となり、自動車業界においては、国内の日系自動車メーカーの生産台数は前年同期比3,0%減となり、海外においても減少した。

これらの結果、2025年5月期・第3四半期の連結業績は売上高767億35百万円、前年同期比0,6%減、営業利益は14億90百万円、同31,9%減となった。

2)セグメント業績・インテリア事業は

■カーテンでは・・・一般家庭向け「U lifeカーテン」や医療・福祉・教育施設向け「コントラクトFace 」の販売が伸長し、売上高は前年同期比0,4%増となった。

■家庭用カーペットでは・・・ハイグレードなラグマットなどの新たな販路開拓や販売戦略の見直しに注力するものの、市場停滞が継続しており、売上高は同8,6%減となった。

■業務用カーペットでは・・・水平循環型リサイクルタイルカーペット「ECOS(エコス)」の環境への取り組みが国内で高く評価され、海外においても販売が好調で、売上高は同3,3%増となった。

■壁装関連では・・・壁紙の価格改定や防犯対策需要によるウインドウフイルムの販売貢献により、売上高は同2,5%増となった。

■スペースデザインビジネスでは・・・商業施設向け内装やタワーマンションへのオプション販売などの堅調な受注により、売上高は同10,8%増となった。

これらの結果、インテリ事業における売上高は270億27百万円、前年同期比1,2%増、営業利益は2億70百万円、同27,4%減となったということである。

***[BLOG・インテリア余話」インテリア技術開発研究所」***

『2025年度は・・・窓まわり商品市場の活性化、社会課題解決に向けての重要な年となり、2030年に向けての ターニングポイントの年となりそうです。(加筆改定版)      

2025年度のWT商品市場を取り巻く経営環境は大きく様変わりし、2030年度に向けてのターニングポイントの年として、新しい窓装飾や機能性の追求等、時代の変化や多様化するニーズに応じた商品・サービス・情報の提供、提案力が求められる重要な年になるのではと考えられます。

2025年度の新築住宅市場は・・・

各研究機関発表の2025年度の新設住宅着工戸数は、77万戸~78万戸台と、戸建てを中心に低調な状況が続くと予測されており、窓まわり商品市場への影響は大きく、年々の減少傾向の流れは2025年度も続くものと考えられます。

■4月1日より「改正建築物省エネ法」が施行され省エネ基準適合が義務づけられます・・・

2025年年4月1日より「改正建築物省エネ法」が施行され、新築住宅および増改築部分に『断熱等級4の適合』が義務化され、冷房期、暖房期の熱貫流率が大幅に改善され、住宅の断熱・省エネ化が進むとともに、内窓設置や樹脂窓、木製窓による窓の高断熱化が一気に加速され、住環境は大きく様変わりしていく年になるものと考えられます。YKK AP(株)よると、2027年度でアルミ窓の生産は中止するとのことであり、2030年に向けて樹脂窓、木製窓等サステナブル商品が更に普及拡大していくものと考えられます。

他業界と比べて窓まわり商品は、2030年SDGs開発目標達成に向けた取り組みが出遅れており、2025年度は社会課題解決に向けての取り組みを加速していく重要な年と位置づけられます。 

市場は大きくサステナブルな方向へと進んでいく年となり、消費者の意識や生活様式も様変わりしていく中にあって・・・これら時代の変化、多様化するニーズにどう対応していくかが問われる、ターニングポイントの年となりそうです。

カーテン市場は年々の大幅な減少傾向に歯止めがかからず・・・    

カーテン市場はこれまでの10年間において、2014年度の1,120億円から~2023年度は950億円までに減少(2023年度/2014年度対比で△15,2%、△170億円)しており、効果的な歯止め対策、市場活性化、需要拡大策等が打ち出せないままに今日に至っているといえます。2025年度からの中期においては、時代の変化や多様化するニーズに対応した新たな機能性や装飾性に向けての提案力、情報発信力が問われる重要な年となり、カーテン市場の活性化に向けて業界挙げての取り組みが求められる年といえます。 

メカモノ商品市場は近年はその勢いに陰りが見えており・・・

これまで以上の提案力、情報発信力が求められる年となります。中でも、ローマンシェード、プリーツスクリーンは年々の市場規模減少傾向に歯止めがかからず、

ローマンシェード市場は、2011年度の68億円をピークとして,2023年度は実に41億円までに減少しています。(2023年度/2011年度対比で60,3%,△27億円減)

プリーツスクリーンは、2014年度の62,5億円をピークとして,2023年度には51,9億円と市場規模は減少しています。(2023年度/2014年度対比で83,4%,△10,8億円減)  

これら商品もカーテン同様、この10年間、市場活性化等に繋がる効果的な対策はなく、2025年度は新たな機能や装飾性を備えた新製品の投入等による市場活性化,需要拡大策が急がれ,期待されるところです。

**[BLOG・インテリア余話」インテリア技術開発研究所***