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【決算発表】(株)ニトリホールディングスの2025年3月期・第3四半期決算と経営成績の概況等      

(株)ニトリホールディングスの2025年3月期・第3四半期決算が発表されました。当第3四半期連結会計期間における売上高は704,945百万円、前年同期比6,2%増、営業利益98,914百万円、前年同期比1,1%増となりました

1,決算概況;連結業績・セグメント業績(単位:百万円)

売上高前年同期比営業利益前年同期比
連結業績 704,945 106,2%98,914101,1%
セグメント業績・ニトリ事業 620,831107,1%96,113101,3%
       ・島忠事業93,030102,02,29188,1

2,ニトリ事業の経営成績の概況等(決算短信、経営統合報告書2024等より引用作成) 

国内の営業概況としては・・・当中間連結会計期間において、ニトリ15店舗、デコホーム14店舗を出店し、2024年10月4日には都内最大級の大型店舗「ニトリ江東猿江店」をオープンした。

売上施策としては・・・顧客参加型ライブコマース「ニトリLIVE」で収録された動画をECサイトにも掲載し、お客様への商品紹介動画として活用する取り組みを進めてきた。また、最大2,100アイテムを期間限定値下げ価格で提供する「ニトリ57周年記念創業祭」を実施してきた結果、売上高は前年を上回る結果となった。

売上原価については・・・円安の進行により輸入品の原価上昇の影響を受けたが、原価低減対策として、円安に対応した商品開発を進め、商品入れ替えにより利益改善に努めた。

物流施策としては・・・川上から~川下までの物流機能の全体最適の実現を目的とした物流戦略プロジェクトを推進し、DC拠点の最適配置と機能集約を進めてきた。

これらの結果、セグメント業績・ニトリ事業の売上高は620,831百万円(前年同期比7,1%増)、セグメント利益96,113百万円(前年同期比1,3%増)となった。

【ニトリグループにおける資源循環への取り組みについて】・・・

販売元に関わらず、不要になったカーテンの回収においては、2023年6月よりニトリ及び島忠全店舗においてカーテン持ち込みの常時受付を継続中。回収されたカーテンは製品や生地素材へリユースされたり、自動車の内装・断熱材へリサイクルされるということである。

また、一部店舗では不要になったタオルの回収を開始、お客様から持ち込まれたタオルはウェス(油汚れを拭き取る布製品)としてリサイクルし、自社物流拠点等での再活用を予定しており、「新しい資源をできるだけ使わず、限りある資源を守る」といった自社内循環の仕組みを構築していくということであり、ニトリグループは一気通貫のビジネスモデルを通じて、環境・社会課題を解決し、より良い未来に貢献することをめざしていくということである。

ニトリグループでは「未来にいいこと。みんなにいいこと。」のキャッチフレーズのもと、環境に配慮したものづくりを『Nitori’s ecology』と位置づけ、サステナブルな取組みを推進中である。

***[BLOG・インテリア余話」インテリア技術開発研究所***

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【提言・用語の整理・呼称の統一に向けて】・・・ レースとドレープ機能を兼ね備えた1台二役の『バーチカルブラインド』が各社各様の用語・商品呼称で発売中

レースとドレープ機能を兼ね備えた、バーチカルブラインドが各社各様の呼称で発売されています。シェード、カーテン、調光ブラインド、ツインタイプなどなど、各社それぞれの用語・商品呼称で市場に出回っています。左右開閉、ルーバーの角度調節による調光機能等の基本的仕様は、従来からのバーチカルブラインドそのものであり、業界で広く、共通に認知され、消費者にわかりやすく、愛される製品として、用語の整理、呼称の統一が必要ではないかと考えられます。

1、発売中の各社各様の呼称は次の通り・・・ 

2024年12月、トーソーから「バーチカルブラインド・デュアルツイン」、ニトリから「バーチカルブラインド・ツインタイプ」が相次いで発売され、市場では次の通り各社・各様の呼称で出回っています。

            呼   称     メーカー
  スマートドレープシェードノーマン ジャパン
  スマートカーテンヨシダ工業サービス(沖縄)
  バーチカルシェードWIS(広島)
  調光タテ型ブラインドタチカワブラインド
  バーチカルブラインド・デュアルツイントーソー
  バーチカルブラインド・ツインタイプニトリ
  バーチカルブラインド・バックレースタイプニチベイ

2、1990年当時の「ローマンシェードの呼称統一」問題と状況は同じである

(1)ローマンシェードの呼称統一問題とは・・・1990年、ローマンシェードが市場に出回り始めた当時と状況は全く同じです。当時のローマンシェードは「ローマンシェード、ローマンカーテン、たくしあげカーテン、窓掛け、カスケード、チリチリカーテン」などなど、各社各様の商品呼称やスタイル名で呼ばれており、業界として用語の整理・呼称の統一が必要であるということで、日本インテリアファブリック協会の中に「ローマンシェード呼称委員会」が設けられ、各社各様の思惑・政策の中で調整は難航し、呼称の統一に至るまでには委員会の開催・協議を幾度となく重ね、最終的には、業界として用語の整理・呼称の統一を図ることができ、現在の「ローマンシェード」という統一呼称に至っています。

(2)窓まわり商品の用語の整理・確認について・・・同委員会では「カーテンとは・・・シェードとは・・・ブラインドとは・・・スクリーンとは・・・」の窓まわり商品の用語の整理・確認も行い、当時、ロールスクリーンは「ロールブラインド、ローラーブラインド」と呼ばれていましたが、ブラインドではなく、スクリーンとして、「ロールスクリーン」に統一していこうとなり、カタログでの呼称変更等市場は順次切り替わり、現在の「ロールスクリーン」という統一呼称に至っています。

3、窓まわり商品の用語の整理、商品呼称の統一に向けて・・・

1)発売中の各社製品は・・・従来からの「タテ型ブラインド=バーチカルブラインド」の特長である、左右開閉、ルーバーの角度調節による調光・採光機能を基本仕様とするものであり、

2)ルーバー部がレースとドレープで構成されており、各社若干の仕様の違いはあれど「カーテン、シェード、調光、ツイン、バックレース」と各社各様の用語、商品呼称で発売されています。

3)本来、バーチカルブラインドはルーバーの角度調整・回転機能により、調光・採光コントロールを最大の特長とする窓まわり商品であり、用語の整理と商品呼称の統一がのぞまれるところです。

4)カーテンとは、シェードとは、ブラインドとは、スクリーンとは・・・今後、2030年に向けて、窓まわり商品は複合機能型の製品開発等が増加していくことが予測される中にあって、将来に渡って市場や呼称が混乱することのないよう、業界として、改めて「カーテンとは、シェードとは、ブラインドとは、スクリーンとは・・・」用語の整理が必要ではないかと考えられます。

関係業界、団体等においては、将来に渡って、業界全体で広く、共通に認知され、消費者にわかりやすい、愛される製品として、今一度、窓まわり商品の用語の整理、呼称の統一をご検討いただきますよう・・・当研究所は願っております

(尚、先の2023年8月24日、当ブログ上で公開の「窓まわり商品の用語の整理、呼称の統一問題等」も併せてご参照ください)

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