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【業界探訪②】カーテンのWEBカタログは従来からの生地見本中心の域を出ず…消費者のライフスタイルに寄り添ったカタログづくり、提案力強化へ 

カーテンはこの10年間で大きく市場規模を減少させています。一方で、ロールスクリーンは年々堅調に売り上げを伸ばし市場規模拡大を図っています。カーテンの減少傾向への歯止め対策、市場活性化対策が急がれる中、カーテンのWEBカタログは従来からの生地見本中心で、消費者のニーズやライフスタイルに寄り添った提案力、情報発信力が弱く・・・ロールスクリーンのWEBカタログとは大きな違いがあります。

🔶カーテンとロールスクリーンの「WEBカタログ」づくりの根本的違いは🔶

近年、消費者の皆さんはWEB上で窓まわり商品を視認・確認する機会が増え、カーテン、ブラインド業界ともにWEBカタログに力を注いでいます。しかし、WEBカタログづくりにおいて、カーテンとロールスクリーンとでは大きな違いがあります。

■カーテンのWEBカタログづくりは従来からの生地見本中心。 一方、ロールスクリーンのWEBカタログは、消費者の生活シーン別・部屋別・窓のタイプ別の取付事例写真を豊富に取り入れたカタログづくりであり、消費者のニーズや生活シーンに寄り添った、我が家にロールスクリーンを取り付けたイメージを、お客様がWEBサイト上で視認・確認できるカタログづくりとなっています。カーテン市場も顧客第一、消費者に寄り添ったWEBカタログづくりによる提案力・情報発信力の強化へ・・・。

■EC取引は年々増加傾向にあり・・・経産省・商務情報政策局による「2023年度の電子商取引に関する市場調査」報告書によると、B to C-EC市場は成長率が高く、2023年度の生活雑貨・家具・インテリア市場は前年比5,0%増,EC化率は31,5%となっています。

■同商務情報政策局によると・・・「家具やインテリアは,ECサイト上で同じ商品の色違いや部屋のコーディネートもパターン別に紹介できるなど、家具・インテリア商品はECサイト上での相性の良いカテゴリーである」と言われています。

■2030年に向けて・・・WEBサイト上で消費者が窓まわり商品の視認・確認ができる商品・サービス・情報の提案・提供が更に普及・拡大していくものと考えられます。

■地域々の特性や自社・自店の強みをいかした・・・お客様のニーズや生活シーンに寄り添った、お客様が我が家に取り付けてみたいとワクワクされる、見せる・魅せるカタログづくりへ・・・生活シーンや窓のタイプ別、取り付け・施工事例を豊富に取り入れた写真集など、ポスト見本帳として、これからの時代の効果的な販促ツールとして期待されます。

***「BLOG・インテリア余話」インテリア技術開発研究所*** 

 

【書籍案内・インテリア技術開発研究所 発行】

インテリア技術開発研究所では、業界の発展、WT商品市場の拡大、産地の活性化等を願い、技術経営支援活動を進めてきておりますが、これら活動の一環として、これまでに窓まわり商品市場に関わる時々の経営課題やものづくりに関わる書籍を、次の通り発行してきております。

🔶『窓まわり商品市場が抱える今日的課題とこれからの10年』

・・・本書はカーテン等窓まわり商品市場が抱える今日的課題を明確にするとともに、2030年に向けての新たな市場活性化・需要拡大策等をまとめた提言書となっています。各企業の経営者、営業、開発、設計、製造等の政策スタッフの皆様、およびインテリア専門店、内装工事店の経営スタッフの皆様にお役立ていただきたい一冊です。【A4版1,650円(税込)】

🔶『ロールスクリーンの専門的実践知識』

・・・本書は業界初のロールスクリーンの専門的実践知識とスキルを深めていただくためのガイドブックです。インテリア専門店・内装工事店・窓装飾プランナー及び企業の営業・開発・設計・製造スタッフの皆様向けの専門門的実践解説書です。社員研修用教材としても最適な専門書となっています。【A5版、カラー冊子1,750円(税込)】

🔶『ロールスクリーン類の商品戦略と収益力強化のすすめ』

・・・本書は室内装飾事業を取り巻く経営環境が大きく様変わりしていく中にあって、競合優位から顧客優位の商品戦略への転換を説くとともに、ロールスクリーン類のコスト構造の抜本的見直し、売上原価率の改善等、収益基盤の強化に向けての提言書となっています。【増刷予定なし~在庫なくなり次第配布終了】

🔶人と環境にやさしい『木製窓まわり商品のこれまでとこれから(限定配布版)』 

🔶15周年記念レポート『カーテン・ロールスクリーン・バーチカルブラインド・プリーツスクリーンに関する中長期的展望とものづくりに関わる政策提案(配布終了)

🔶WITHコロナ、AFTERコロナ時代のものづくりの方向性を探る『繊維系WT商品の中長期的展望(配布終了)

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『断熱等級4』の適合・義務化により・・・住環境はより快適に、窓は高断熱化が進み、窓辺の装いは新たな機能や装飾性が求められる時代へ(加筆版)

2025年4月1日より、改正建築物省エネ法が施行され、全ての新築住宅および増改築部分に「断熱等級4」の適合が義務化されました。冬は暖かく、夏は涼しく、住環境は大幅に改善され、窓は高断熱化が進み、窓辺はよりシンプルに、よりスマートな装い・機能へ・・・法改正による窓の高断熱化に対応した、窓まわり商品の提供、提案力の強化が求められています

1、「断熱等級4」により、住環境はより快適に・・・ 

断熱等級4とは・・・「次世代省エネ基準」と呼ばれ、壁や天井だけでなく、開口部・窓、ドアーにも断熱が求められ、窓には複層ガラスなどの断熱窓の使用が義務化されることになります。

高断熱住宅のメリットは・・・■冬は暖かく、夏は涼しく、光熱費の削減。■部屋間の温度差がなくなり、熱中症やヒートショックのリスクが低くなる。■補助金や税制上の優遇対象となる。・・・等々のメリットがあげられます。

2,断熱等級は「UA値」と「ηAC値」という2つの数値で決定されます。・・・

■UA値とは・・・外皮平均熱還流率、住宅から失われる熱量の平均値で、家の内外の熱の出入りのしやすさの度合いを表す。数値が低いほど建物の断熱性能が高いことになります。

■ηAC値とは・・・ηはイータと呼びます。太陽の日射熱がどれだけ室内に入りやすいかを表す指標です。数値が低いほど断熱性能が高く、夏場の冷房効果を高め夏は涼しく光熱費の削減につながります。

3、「断熱等級4」の義務化による窓の高断熱化により~窓辺の装いは大きく様変わり

省エネ基準適合の新築住宅の増加により、住宅や窓の断熱化、省エネ化とともに、窓まわり商品に求められる機能や装飾性のあり方も様変わりしていくものと考えられます。

例えば、2030年に向けて、カーテンはこれまでのような,レース+ドレープのダブル付けの概念等が薄れ、一枚掛けやウエーブスタイルなどシンプルな装いが広まり、近年はロールスクリーンの電動化比率が高まっているように、カーテンも、リモコン一つで開閉可能な窓辺の電動化が進み、スマートインテリア時代の到来が予測されます。

窓辺はよりシンプルに、よりスマートな方向へと変化していくものと考えられ、窓まわり商品も、時代の変化、多様化するニーズへの対応力がこれまで以上に求められることになりそうです。

***「BLOG・インテリア余話」インテリア技術開発研究所***