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【決算発表】東リ(株)2025年3月期(通期)決算と経営成績の概況等

東リ(株)の2025年3月期決算が発表になりました。当連結会計年度における連結売上高は105,709百万円、前期比3,2%増、営業利益は4,376百万円、前期比12,1%減となりました。

1,連結業績、セグメント業績(単位:百万円)

 売上高 前期比(% 営業利益前期比(%)
連結業績105,7093,2%増4,37612,1%減
セグメント業績・プロダクト事業63,9052,4%増2,94216,9%減
  〃  インテリア卸工事事業68,1212,1%増2,24114,8%増

2、経営成績の概況等

🔶連結業績・・・長期ビジョン<TOLI VISION 2030>の実現に向けた、4ヶ年(2022年3月期~2025年3月期)の中期経営計画「SHINKA Plus ONE」を推進してきた。新製品開発力の強化並びに製造原価の低減、安定供給体制の構築、環境負荷低減への取り組み等の実行戦略を進めてきた結果、最終年度となる当期は、『連結売上高1,000億円以上、連結営業利益40億円以上、連結ROE 7,0%以上、リサイクル率85%以上、産業廃棄物排出量40%以上の削減(2019年度比)』を達成した。

これらの結果、連結売上高は105,709百万円、前期比3,2%増、営業利益は製造原価の低減や販管費の縮減に努めたが、原材料価格の上昇や販促費等の増加により、4,376百万円、前期比12,1%減となった。

🔶セグメント業績・プロダクト事業・・・プロダクト事業においては、当期に新発売した高付加価値製品を中心とした販促活動に注力した。また、各種原材料や物流費の上昇等を背景に一部製品の上代価格改定(2024年12月)を実施し、収益改善に努めた。 

ビニル系床材、カーペット、壁装材の売上高は前年を上回る結果となったが、カーテンでは住宅向けカーテン「フフル」や教育・医療施設向けカーテン「コントラクトカーテン」の販促活動に注力してきたが、オーダーカーテン需要が弱含みで推移した結果、カーテンの売上高は前年を下回った。

これらの結果、プロダクト事業の売上高は63,905百万円、前期比2,4%増、営業利益は2,942百万円、前期比16,9%減となったということである。

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2024年度の新設住宅着工戸数は、「建築物省エネ法」改正を前にした、3月の駆け込み需要の大幅増(前年同月比39,1%増)の影響で、81万6,018戸 前年同期比2,0%増となった。  

国交省発表によると、2024年度(2024年4月~2025年3月)の新設住宅着工戸数は81万6,018戸、前年同期比2,0%増となった。3月の着工戸数が前年同月比39,1%増と過去10年間で最多となったことが大きく影響しており、3月の異常なまでの着工戸数の増加は「建築物省エネ法」改正を前にした駆け込み需要が影響しています。

2024年度の住宅着工戸数は、今年1月までは前年割れが続いており、各研究機関発表の79万戸~80万戸で着地するものと想定されていましたが、4月1日からの建築基準法・建築物省エネ法」改正を前にした3月の駆け込み需要による異常なまでの増加が、前年度割れが続く中、一転して2,0%増となった要因として考えられます。

2025年4月1日施行「改正建築物省エネ法」とは・・・新築住宅、増改築部分に「断熱等級4の適合」が義務化されており、2030年までには新築住宅の60%をネットゼロエネルギーハウス(ZEH)にするという目標が定められています。>

🔶3月の利用関係別・新築住宅着工戸数は・・・3月の着工戸数は過去10年間で最多となる・・・

3月の持家は前年同月比37,4%増,貸家は同50,6%増、分譲住宅は同22,8%増、マンションでは同20,4%増、戸建て住宅では29ヶ月ぶりの増加となる同23,3%増といずれも大幅な増加となった。

只、国交省発表の住宅着工統計は、建築主より都道府県知事へ提出された建築工事の届出を毎月集計したものであり、建物の完成までは着工~施工~竣工と時間を要し、3月着工の大部分の住宅の内装は年度をまたぐことになります。

🔶2025年度以降の新設住宅着工戸数の影響等・・・

2024年(1月~12月)の住宅着工戸数は79万2,070戸、前年同期比△3,4%減で推移していながら、2024年度(2024年4月~2025年3月)になると、前年同期比2,0%増となったのは法改正による一時的な要因によるものであり、新設住宅着工戸数は短期的には建築資材の高止まりや人手不足、中長期的には世帯数の減少や住宅の超寿命化等による、年々の減少傾向の流れは変わらず、窓まわりり商品市場においては引き続き市場活性化、需要拡大に向けての取り組み強化が求められるところです。

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ニトリが『伸縮タイプの電動カーテンレール・リモコン式』を新発売・・・電動カーテンによる、便利で快適な、スマートな暮らしがより身近に

2025年4月中旬より、ニトリグループ全店舗およびニトリネットで、『伸縮タイプの電動カーテンレール』が発売されました。コンセント不要の充電式、リモコン仕様で、価格は19,990円からのお試し価格で購入しやすくなり・・・電動カーテンによる、便利で快適な暮らしぶりがより身近になります。

商品の特徴

■伸縮式カーテンレール・・・サイズは1.2~1.8m と1.8~3.0mセットの2サイズ、交差ランナーセット。正面付、天井付。

■コンセント不要、電源不要の充電式・・・リチウムイオンバッテリー搭載。1日4回開閉で最大6ヶ間使用可能(充電は約半日で完了)

■リモコン一つでカーテンの電動開閉が簡単に。電源の確保、配線も必要なく、お客様サイドで簡単に取り付け可能。

■価格は、1,8mリモコン式シングルセットで19,990円、3,0mセットで24,990円。電動カーテンレールをお試し安い価格で提供。

*ニトリグループは去る2025年2月にも「電動遮光ロールスクリーン・リモコン式」をW800XH2200で16,990円とリーゾナブルな価格で発売しています。(詳しくは3月3日投稿・公開の当ブログを参照ください)

電動窓まわり商品の普及・拡大へ

これまでの電動商品は「価格は高い、面倒な電源確保や配線が必要等々」なかなか手が出せない商品でしたが、価格もリーゾナブルで、電源・配線不要で、取付・施工も簡単な電動商品が市場に出回ってくると、電動商品による、より便利で快適な、スマートな暮らし文化の広がりが期待されます。

2030年に向けて、サッシ業界・サッシメーカーにおいては「断熱窓100%」達成に向けた取り組みが強化され、窓は脱アルミ化が進み、樹脂窓や木製窓など「高断熱窓」の普及・拡大が見込まれています。

窓の深化とともに、窓まわり商品市場も新たな装いや機能性が求められるようになり、近年は各メーカーやネット通販等において、電動商品の品揃え・システムが強化されてきています。窓辺の電動化による、より便利で、より快適な、スマートな暮らしぶりが更に広がり、住環境は大きく様変わりしていくものと考えられ・・・自社・自店の強みをいかした電動商品の販促強化が期待されるところです。

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プリーツスクリーン市場の大幅な減少・・・プリーツスクリーンの良さを見直し、市場活性化・需要拡大策が急がれます

近年、プリーツスクリーンはロールスクリーンやバーチカルブラインド等、他のメカモノの影に隠れて、話題になることも少なく、新たな新製品の市場投入もなく、この10年で市場規模は大きく減少しています。和室の減少の影響といわれていますが、本質の原因は何処にあるのか・・・市場活性化、需要拡大策の投入が急がれます。

1)この10年間のプリーツスクリーンの市場規模動向とその概要(単位億円)

2014年度 2017年度 2021年度  2023年度   2023年度/2014年度対比(%)
   62,5  57,757,251,983,0% △10,6億円減

*出所 一般社団法人・日本インテリア協会「市場規模の策定」調査報告より引用・作成

メカモノの中で、バーチカルブラインド、ロールスクリーンは堅調に売上げを伸長していますが、プリーツスクリーンは減少傾向に歯止めがかからず、この10年間で大きく市場規模を縮小しています。

日本インテリ協会の「市場規模の策定」によると、プリーツスクリーンの市場規模減少は新設住宅着工戸数の減少と和室減少の影響であるとの見立てになっており、

プリーツスクリーンは、10年前の2014年度62,5億円をピークとして、2023年度には51,9億円、2014年度対比で△17,0%、△10,6億円までに市場は落ち込んでいます。

住宅における和室、畳コーナーは年々減少傾向にあり、間取りとして和室があっても、居室面積の減少率が大きいという傾向が続いており、マンションの間取りでは和室・畳コーナー共に見かけることが少なくなっているということが、プリーツスクリーンの市場規模減少の要因の一つと考えられます。 

2)プリーツスクリーン本来の和風イメージからの脱却、新プリーツ形状・デザイン開発へ・・・

各メーカーからは和風から~モダンまで、和洋室を問わず、幅広い住環境に対応するということで、スクリーン部分については和紙から織物、レース、不織布までの品揃えとなってはいますが、1990年代当時の上市以来、プリーツスタイルそのもの、プリーツ加工技術そのものは何ら変わることなく今日に至っています。 

「プリーツ上に折り、タタミ上げる、単調なスタイル」そのものが障子のような、和のイメージが強く、モダンへの広がり等需要拡大に繋がらない要因ではないかと考えられます。

プリーツスクリーンの市場活性化、需要拡大に向けては、和室に限らず、モダン領域への対応力強化、用途拡大が必要であり、スクリーン部の質感、表現力強化やスタイル開発による「新・プリーツスクリーン」の誕生が待たれるところです。

スクリーン部の表情・表現力の研究、スタイル開発とは・・・現在、各メーカーから発売されているシングルスタイル、ツインスタイル、アップダウンスタイルのことではなく、プリーツの形状・デザイン・機能開発のことを指しており、『シワ加工やカレンダー加工、オパール加工やエンブロイダー加工等々、各種加工方法の応用研究によるスクリーン部の質感・表情・表現力強化』や、『プリーツ加工技術開発による、プリーツをグラデーション風に取ってたたみ上げたり、変形デザインのプリーツやヒダを取ってたたみ上げたり、トップ&ボトムバランスによるモダンな装い方等々』・・・今までにはない、新しいプリーツ形状・デザイン、機能開発等々による商品力の強化を目指していこうということです。

他の窓まわり商品にはないプリーツスクリーンの良さ、機能を今一度見直し、市場の関心がプリーツスクリーンに向けられるよう、「新・プリーツスクリーン」の投入による市場の広がり、需要拡大を期待したいものです。

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