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木製ブラインドの防炎に関して

 ー「防炎物品」としての認定に向けての提言

木製ブラインドが好調で、2020年度の市場規模は61,4億円と

(NIF調査資料より)この10年間で市場規模を拡大しております。

天然木の質感、高級感等が好まれタワーマンション等高層建築物にも広く

使用されるようになってきました。

しかし、ご存知の様に、現行の木製ブラインドは「防炎製品」としての

認定であり、「防炎物品」として認められていません。その事由は、

  『消防法施行令に定める「布製ブラインド」ではないから・・・』

ということのようです。

消防法施行令が定められたのは実に昭和36年であり、制定当時と比べて

窓回り商品市場は大きく変動し消費者の嗜好や生活様式も大きく

様変わりしている令和の時代にあっては、火災からの痛ましい

人災事故を防ぎ、安全・安心を第一に、市場の実態・実情に即した

政令の見直し等が必要ではないかと考えられます。

併せて、木製ブラインド(樹脂製でない)の防炎性能の改善・改良等

一層の技術開発力の強化が関係企業に求められるところです。

非防炎の木製ブラインドは火が着くと激しく燃え上がり、大変危険であり、

タワーマンション等の「防火対象物」には防炎性の木製ブラインドの

取付・使用を義務づけしていくべきではと考えられます。

例えば、 現行の「布製ブラインド」を「布製等ブラインド」と改め

構成素材としては綿やポリエステル、ガラス等の繊維素材や木材、樹脂材等を

同じカテゴリーで括り、規定の防炎性能が認められれば、木製ブラインドも

布製ブラインド同様「防炎物品」として認定されることになり、

「防火対象物」への取付・使用が義務づけられ,徹底されることに繋がります。

 ・・・非防炎の木製ブラインドが原因による、

       タワーマンション等の大火災・大惨事が発生する前に・・・

木製ブラインドが「防炎物品」として認定されるよう

今一度の制度設計の見直しを関係省庁等の皆様方に期待したいところです。

      —インテリア技術開発研究所「BLOGインテリア余話」より—

抗ウイルスカーテン地の優良誤認表示問題等

消費者庁が抗ウイルスカーテン地の優良誤認表示への改善要請を行う!

今般、消費者庁は新型コロナウイルスに対する予防効果を標榜する

抗ウイルスカーテン地(2事業者・2商品)に対し、緊急的処置として、

     景品表示法・・・優良誤認表示

の観点から表示の適正化についての改善要請を行いました。

「優良誤認表示」とは商品・サービスの品質、規格、その他の内容について、

消費者が当該商品の効果について著しく優良であると誤認してしまう表示をいい、

新型コロナウイルスについてはその症状特性が明らかになっておらず、

試験機関における試験方法・評価も現段階では十分には確立されていないという

消費者庁の判断での今回の改善要請となったものと考えられます。

今後カーテンやスクリーンにおいて高質化・高機能化への研究開発が進む中で

その効能や評価について、カタログ上やWEBでの表示や訴求方法において、

関連法規に沿ったものであるか,消費者に誤認を与える誇大表示になっていないか等

当該部門である商品開発・設計及び販促部門だけに判断を委ねるのでなく、

客観的な判断組織として、例えば「コンプライアンス委員会」なる機能を設け、

運用管理・監督をしていくといったことが重要であると考えられます。

消防法第8条の3に関わる管理体制の強化へ

 消防法第8条の3に絡む法令違反や防炎ラベルの管理のずさんさなど、

 インテリア業界では何年かに一度は問題が発生しております

 今回の「優良誤認表示」問題発生を機として

  「社内の防炎管理体制に緩みはないか・・・

      防炎ラベルの管理は適法・適正に行われているか・・・

今一度の社内管理体制の見直し・徹底を期したいところです。

                 ーインテリア技術開発研究所より

    

    

   

    

カーテンの市場規模回復に向けて

カーテン市場規模回復への新たな「しかけづくり」とカーテン産地の活性化に向けて(提言)

NIF(日本インテリア協会)の2020年度の「市場規模の策定」報告によると

カーテンの市場規模は996,2億円と1,000億円を割り込む迄に縮少し、その中で

国産品は494,0億円と500億円を下回る結果となりました(数字は卸売価格)

2020年度は新型コロナの影響や、10年来の新設住宅着工戸数の減少、

コロナ禍で販促活動に制限が生じた等々の影響があるようですが、

この10年来,カーテンの市場規模減少に歯止めがかかっていません。

   2010年度1,106億円⇒2020年度996億円(2010年度対比で90,1%

一方、ロールスクリーン等スクリーン類は、

この10年間で堅調に市場規模拡大を図っております。

  2010年度316億円⇒2020年度371億円(2010年度対比で117,4%)

ロールスクリーン類の年々の市場規模拡大の要因がどこにあるのか・・・

スクリーン類のベンチマーキングがカーテン縮少のヒントになるかと考えらる。

近年は「窓の形状とWT商品の相性変化」や「窓の小窓化」「電動化」が進み、

消費者の嗜好も様変わりしてきております。

これら動きに対して、俗にメカ物と呼ばれているロールスクリーン等は適応力に

優れ,顧客要望に添った「商品の提供・サービスの提供」が比較的タイムリーに

出来ていることが考えられます(小窓対応メカ・機構の更なる改善・研究は必要)

もちろん専門店等の皆様の販促活動の結果であることは言う迄もありません。

消費者の問い合せや不満の中で、近年増えてきた「スリット窓」への問い合せが

多くなっているようですが、

カーテン業界ではどのようなスタイル提案やデザイン提案、取付提案等の

ソフトやサービスの提供がなされているのか・・・

もう少しの業界挙げての発信力や提案力の強化を期待したいところです。

かって「スタイルカーテン」が花開いた時期がありましたが、

「出窓」が流行になり、カーテンレールメーカーは「出窓専用レール」を発売し、

カーテン業界では「スタイル開発・デザイン開発」を競い合い、顧客需要に応えたように、

カーテンの市場規模縮少やカーテン産地の生産量の落ち込みに対し、

新たな仕掛けや需要喚起を期待したいところです。

小窓やスリット窓が増え、カーテン地の要尺が少なくなる中で、

が必要であり、例えばイタリアでは、

窓の半数近くに「パネルスクリーン」が取付けられていると言われており、

店頭では「パネルスクリーン用ファブリックス」がパックで販売されています。

消費者は好みの生地やデザインを買い求めていくといった具合であり、

国内でも窓の「ハイサッシ化・ワイドスパン化」が進み、タワーマンションなど

もっとパネルスクリーンの良さを見直し、販促活動を強化すべきと思われます。

(機構的にはもっとメカ部のコンパクト設計や高度デザイン化等が必要)

また、間仕切り用途としてもパネルスクリーンは期待される商品の一つであり、

更なる需要喚起を期待したいところです。

カーテン市場の立て直し、活性化に向けて

             ・・・窓の新たな装い方提案と用途開発・拡大へ    

***「BLOG・インテリア余話」インテリア技術開発研究所***