月: 2022年3月

抗ウイルスカーテン地の優良誤認表示問題等

消費者庁が抗ウイルスカーテン地の優良誤認表示への改善要請を行う!

今般、消費者庁は新型コロナウイルスに対する予防効果を標榜する

抗ウイルスカーテン地(2事業者・2商品)に対し、緊急的処置として、

     景品表示法・・・優良誤認表示

の観点から表示の適正化についての改善要請を行いました。

「優良誤認表示」とは商品・サービスの品質、規格、その他の内容について、

消費者が当該商品の効果について著しく優良であると誤認してしまう表示をいい、

新型コロナウイルスについてはその症状特性が明らかになっておらず、

試験機関における試験方法・評価も現段階では十分には確立されていないという

消費者庁の判断での今回の改善要請となったものと考えられます。

今後カーテンやスクリーンにおいて高質化・高機能化への研究開発が進む中で

その効能や評価について、カタログ上やWEBでの表示や訴求方法において、

関連法規に沿ったものであるか,消費者に誤認を与える誇大表示になっていないか等

当該部門である商品開発・設計及び販促部門だけに判断を委ねるのでなく、

客観的な判断組織として、例えば「コンプライアンス委員会」なる機能を設け、

運用管理・監督をしていくといったことが重要であると考えられます。

消防法第8条の3に関わる管理体制の強化へ

 消防法第8条の3に絡む法令違反や防炎ラベルの管理のずさんさなど、

 インテリア業界では何年かに一度は問題が発生しております

 今回の「優良誤認表示」問題発生を機として

  「社内の防炎管理体制に緩みはないか・・・

      防炎ラベルの管理は適法・適正に行われているか・・・

今一度の社内管理体制の見直し・徹底を期したいところです。

                 ーインテリア技術開発研究所より

    

    

   

    

カーテンの市場規模回復に向けて

カーテン市場規模回復への新たな「しかけづくり」とカーテン産地の活性化に向けて(提言)

NIF(日本インテリア協会)の2020年度の「市場規模の策定」報告によると

カーテンの市場規模は996,2億円と1,000億円を割り込む迄に縮少し、その中で

国産品は494,0億円と500億円を下回る結果となりました(数字は卸売価格)

2020年度は新型コロナの影響や、10年来の新設住宅着工戸数の減少、

コロナ禍で販促活動に制限が生じた等々の影響があるようですが、

この10年来,カーテンの市場規模減少に歯止めがかかっていません。

   2010年度1,106億円⇒2020年度996億円(2010年度対比で90,1%

一方、ロールスクリーン等スクリーン類は、

この10年間で堅調に市場規模拡大を図っております。

  2010年度316億円⇒2020年度371億円(2010年度対比で117,4%)

ロールスクリーン類の年々の市場規模拡大の要因がどこにあるのか・・・

スクリーン類のベンチマーキングがカーテン縮少のヒントになるかと考えらる。

近年は「窓の形状とWT商品の相性変化」や「窓の小窓化」「電動化」が進み、

消費者の嗜好も様変わりしてきております。

これら動きに対して、俗にメカ物と呼ばれているロールスクリーン等は適応力に

優れ,顧客要望に添った「商品の提供・サービスの提供」が比較的タイムリーに

出来ていることが考えられます(小窓対応メカ・機構の更なる改善・研究は必要)

もちろん専門店等の皆様の販促活動の結果であることは言う迄もありません。

消費者の問い合せや不満の中で、近年増えてきた「スリット窓」への問い合せが

多くなっているようですが、

カーテン業界ではどのようなスタイル提案やデザイン提案、取付提案等の

ソフトやサービスの提供がなされているのか・・・

もう少しの業界挙げての発信力や提案力の強化を期待したいところです。

かって「スタイルカーテン」が花開いた時期がありましたが、

「出窓」が流行になり、カーテンレールメーカーは「出窓専用レール」を発売し、

カーテン業界では「スタイル開発・デザイン開発」を競い合い、顧客需要に応えたように、

カーテンの市場規模縮少やカーテン産地の生産量の落ち込みに対し、

新たな仕掛けや需要喚起を期待したいところです。

小窓やスリット窓が増え、カーテン地の要尺が少なくなる中で、

が必要であり、例えばイタリアでは、

窓の半数近くに「パネルスクリーン」が取付けられていると言われており、

店頭では「パネルスクリーン用ファブリックス」がパックで販売されています。

消費者は好みの生地やデザインを買い求めていくといった具合であり、

国内でも窓の「ハイサッシ化・ワイドスパン化」が進み、タワーマンションなど

もっとパネルスクリーンの良さを見直し、販促活動を強化すべきと思われます。

(機構的にはもっとメカ部のコンパクト設計や高度デザイン化等が必要)

また、間仕切り用途としてもパネルスクリーンは期待される商品の一つであり、

更なる需要喚起を期待したいところです。

カーテン市場の立て直し、活性化に向けて

             ・・・窓の新たな装い方提案と用途開発・拡大へ    

***「BLOG・インテリア余話」インテリア技術開発研究所***

 

    

    

    

    

    

    

    

    

    

    

新刊;コロナ時代の「ものづくり」の方向性を探る

『シリーズ第2弾・ロールスクリーン類の商品戦略と収益力強化のすすめ』を2月8日に発行致しました。中長期を展望したロールスクリーン等の商品戦略と収益力の強化に向けての政策提言書です。

ロールスクリーン等は売上原価率の高い商品群であり、スクリーン材のコスト構造の抜本的見直しによる収益力の改善・強化は経営上の最重要・優先課題となっております。

この度の「シリーズ第2弾」では、ロールスクリーン類の商品開発・技術開発の方向性と研究開発テーマの概要一覧および売上原価率の改善に向けての具体的な政策提言書となっています。特に、1980年に「防炎含浸硬仕上加工」のロールスクリーンを上市して以来、この40年間スクリーン材の本質的な見直しはなされていません。

この度の新刊「シリーズ第2弾・ロールスクリーン類の商品戦略と収益力強化のすすめ」が、次世代に向けてのロールスクリーンの経営上の政策課題としてお役に立てることを願っております。

    

        ーインテリア技術開発研究所発「インテリア余話」