月: 2023年4月

『木製ブラインド・特集その3』メーカー別・樹種材一覧と全樹種防炎に向けて

1,発売中のメーカー別・樹種材一覧と防炎製品(◎印は防炎品、○印は非防炎品)・・・

バスウッド  竹 桐 木目調樹脂 杉 その他
立川ブラインド工業        ○     ○
ニチベイ             ○    ○  ◎
トーソー  ○  ◎ ○
ナニックジャパン  ○  ◎ ○
東京ブラインド工業 ◎ ○
ノーマンジャパン  ◎ ○
サンゲツ

注:その他木材はハードウッド(タチカワ、トーソー)、ヒバ(東京ブラインド)、レッドシダー(ノーマンジャパン)

2,全樹種防炎に向けて・・・防炎加工技術の確立へ

1)木製ブラインドは2007年(平成19年)12月開催の(財)日本防炎協会・防炎製品認定委員会において、木製等ブラインド「防炎製品」として認定開始され、現在に至っております。

2)しかし、カーテンやロールスクリーンは消防法施行令にもとづく「防炎物品」として認定されており、タワーマンション等の防火対象物への取り付け、使用が法的に義務づけされているのに対して、同じ窓回り商品でありながら、木製ブラインドは「防炎製品」として防火対象物への取り付け、使用を推奨する・・・という位置づけ、扱いであり、、防火対象物への取付、使用が何処まで徹底されているか、懸念されるところです。

3)「防炎製品」としての現状は「木目調樹脂材・押出成形品〔天然木ではない)が中心であり、主力商品であるバスウッドや竹製ブラインドは非防炎のままとなっています。

4)バスウッド材等の木製ブラインドはスラット材が国産材でなく輸入材の関係もあり、又、2007年に木製ブラインドが防炎製品としての認定に収まったのを機に、防炎加工技術の確立~製品化への取り組み・スピードが後退した感があり、木材そのものが燃えにくい桐製ブラインド以外の天然木は未だに非防炎のままの扱いとなっています。

◈サステナブル志向社会における木製ブラインドの防炎のあり方として・・・

現行仕様のロールスクリーンが初めて上市された1980年当初は、3億円にも満たない市場でしたが、今や300億円に迫る市場を形成するに至ったのは、防炎ラベルの種類云々の前に、防火対象物、非防火対象物を問わず「全柄防炎であること」を基本とした、より安全・安心な「ものづくり」を推し進めてきたことが、今日の市場形成に大きく寄与した要因の一つと考えられます。

木製ブラインドにおいても、全樹種が防炎性能を有し、高層マンション等の防火対象物に限らず、一般住宅においても、消費者の皆様が安全・安心して、広くお使いいただける、人にも環境にもやさしい木製ブラインドとして、全樹種材の防炎加工技術の確立~製品化が待たれるところです。

ーーーインテリア技術開発研究所「BLOG・インテリア余話」よりーーー

  

「木製ブラインド・特集その2」国産材の利用促進・需要拡大への取り組みについて

国産材の有効活用による上質な木製ブラインドは、サステナブル志向の時代にあって、人にも環境にも優しい「ものづくり」としての高い評価と需要拡大が期待されます。

国産材の有効活用による『木製ブラインド』がナニックジャパン(株)と東京ブラインド工業(株)から発売されております。両社における材料調達から~製品化の取り組みについて、および、現在、官民挙げて持続可能な循環型の森林経営への取り組みが進められておりますが、これらについて次の通りお届けさせていただきます。

◈ナニックジャパン(株)より、国産杉の木製ブラインドを発売・・・

ナニックジャパン(株)より、国産杉材の有効活用による「スギシリーズ・ウッドブラインド」が発売されました。国産材の利活用においては、安定的な材料調達の問題やコスト高等々、まだまだ課題が多い中にあって、自社の那須工場において製材(薄板加工)から~塗装~仕上工程の内製化によって、国産杉による木製ブラインドの製品化が実現出来たとのことです。

国産杉材による、無垢の柾目のみを使用した上質の木製ブラインドで、価格は1800×1800(スラット幅50㎜)で¥97,770と、他の集成材仕様の木製ブラインドと大きくは変わらず、サステナブル志向時代の人にも環境にも優しい「ものづくり」として、需要拡大に向けて専門店・工事店の皆様をはじめとして、皆で応援していきたいものです。

◈東京ブラインド工業(株)では、多摩産材の杉と桧の木製ブラインドを販売中・・・

東京ブラインド工業(株)では、森林資源を都市に還元する取り組みとして、多摩産材の「杉」と「桧」の天然無垢の一枚板にこだわった、上質の木製ブラインドを開発~販売中であり、杉、桧の防炎加工技術の確立による、高層建築物等防火対象物にも安心して取り付け・使用出来る防炎木製ブラインドも合せて製品化~発売中です。又、日本全国にある地域材の普及に貢献し、地産地消の天然木材を用いた木製ブラインドのオーダーメイド制作も展開中とのことです。

SDGs達成に貢献する製品として、地元の木材を使用することで輸送距離も短く、製品化から~納品までのCO2の削減にも寄与するとのことであり、サステナブルな「ものづくり」として、地元はもちろんのこと、販路拡大・需要拡大に向けて、専門店・工事店の皆様をはじめとして、皆で応援していきたいものです。

◈林野庁による「民間活力による森林づくり・国産木材の利用促進」への取り組み等・・・

国産木材の利用促進、需要拡大に向けて、官・民挙げて持続可能な循環型の森林経営への取り組みが進められております。

林野庁によると、低層住宅は木造率が約80%、使用木材の約50%が輸入材とのことですが、国内の高層建築物においても木材利用が進んでおり、今後、木造・木質化のビルやホテル建設がますます増加するものと予測されております。

国産木材においては安定供給面やコスト縮減など環境整備すべき課題も多い中、経済・建築・木材供給団体など、川上から~川下による官・民協議会「ウッド・チエーン協議会」が立ち上げられ、課題解決に向けた取り組みが進められており、

内装インテリアにおいても、「資源の持続性と環境の持続性」に配慮した、国産材による高質で高付加価値型の製品開発が求められ、需要拡大が進むものと考えられます。

◈木製ブラインド・木製カーテンレールへの国産材の利活用の促進等・・・

昨年2022,12,24配信の「BLOG・インテリア余話」において、『森林資源の循環利活用による木製ブラインド・木製カーテンレールの材料調達から~製品化のあり方』について課題提起させて頂きましたが、(同ブログ参照下さい)

消費者のSDGsへの関心が年々高まり、持続可能な地球環境や社会の実現に向けて、サステナビリティに対する経営姿勢や具体的な取り組みが求められる中、木製ブラインド、木製カーテンレールにおいても国産材の利活用による材料調達~製品化が今後ますます求められることになりそうです。

ーーーインテリア技術開発研究所「BLOG・インテリア余話」よりーーー