多様化するニーズと窓回り商品(Series-2)・・・窓回り商品の用語の整理と呼称統一問題等
近年は複合機能型商品や電動商品が好評、好調との声が届いております。多様化する住環境やニーズの中で、業界全体に広く認知され、愛される商品として、更なる市場創造・需要拡大を図っていくためには、これら商品をはじめとして、窓回り商品等の用語の整理と呼称の統一が必要ではないかと考えられます。
1,市場創造・需要拡大に向けてー用語の整理と呼称の統一へ・・・
1)近年の窓回り商品の呼称の実態と統一に向けて・・・
①近年好調な「調光ロールスクリーン」は調光式ロールスクリーンとも呼ばれ、「パネルスクリーン」はパネルカーテン、パネルトラック、パネルスライドシステムなどと呼ばれています。
②近年好評なカーテン+バーチカルブラインドと一台で二つの機能を兼ね備えた「調光スタイルカーテン、又は調光開閉式カーテン」はスマートドレープシェード、スマートカーテン、バーチカルシェードと各社各様のネーミングで発売されています。同じような商品でバックレーススタイルという商品があります。カーテンと捉えるか、タテ型ブラインドとして捉えるか、各社の思惑や商品政策上のこともありましょうが、調光スタイルカーテン、調光開閉式カーテンは当研究所による仮の呼称です。
カーテンの美しさとバーチカルブラインドの調光・開閉機能を兼ね備えた「調光スタイルカーテン、調光開閉式カーテン」は、窓辺をよりシンプルに、スマートに装う窓回り商品として今後広がりを見せていくものと期待され、業界全体に広く認知され、消費者の皆さんに愛される窓回り商品として、更なる市場創造・需要拡大を図っていくためにも、用語の整理と呼称の統一を期待したいところです。
今後はカーテン、ローマンシェード、プリーツスクリーン等の他の窓回り商品にもハイブリット型の複合機能を兼ね備えた」商品開発、技術開発が進むものと考えられます。
③電動窓回り商品は・・・将来的にはスマートハウス化、スマートホーム化のカテゴリーに組み込まれていくのではないかと考えられ、IoTの一般化に伴い、多くの製品に「スマート」という呼称が使われるようになり、
「スマート○○○」という呼称は「高度な情報処理機能を供えた製品、システム」等のイメージがあり、従来からの電動カーテン、電動ブラインドという呼称も、HEMSに対応した製品・システムの更なる充実等により、将来的には時代に応じた呼称の見直しや用語の整理・統一が必要になってくるかも知れません。
既にタチカワブラインドは「スマートインテリアシェード」という呼称で商標登録を完了し、スマートで便利な暮らし提案を前面に打ち出しています。又、「スマートインテリア」はパナソニックホームズ(株)にて、既に商標登録済み(第35類他)となっており、今後マスメディア等を通じて「スマートインテリア」という呼称が広く使われ、一般化し、浸透していくものと考えられます。
④近年ベネシャンブラインドの呼称は・・・カタログ上からも使われなくなり、大手ブラインドメーカーの商品カテゴリー上の区分では、ブラインドは「ヨコ型ブラインド」「タテ型ブラインド」と整理統合され、わかりやすくなっており、業界全体がこの方向でまとまっていきたいものです。
⑤カーテン、シェード、スクリーン、ブラインドの区分も・・・各社各様のところがり、業界として今一度用語の整理・確認が必要かと考えられます。
◈◈◈呼称は各社各メーカーのこだわりや独自性、戦略にもとづくものであり、用語の整理や呼称の統一は難しいところがありますが、業界全体が共通の商品呼称のもとで、市場創造・需要拡大を図っていくためにも、時々に応じた呼称の統一や用語の整理・統合が必要ではではないかと考えられます。◈◈◈
2)参考;ロマンシェードの用語整理と呼称統一の事例として・・・
ローマンシェードが上市され~導入発展期である1980年代後半には、カーテンメーカーを始めとして各社から様々な呼称、スタイル名で発売されるようになり市場は混乱していました。
◈当時市場に出回っていた呼称・スタイル名は・・・
『商品呼称はローマンシェード;ローマンカーテン;カスケード;たくしあげカーテンと各社各様の呼び方であり、スタイル名はプレーン/ナチュラル、;シャープ/セパレート;オーストリアン/カスケード/チリチリカーテンなどなど・・・』
呼称とスタイル名が各社各様であり、NIFで「呼称統一委員会」が編成され、整理統一作業に携わりましたが、各社それぞれの思惑の中で調整等に難航いたしましたが、自社の都合に留まることなく、業界全体として認知度を上げ、市場創造・需要拡大を図っていくことが重要・・・との共通認識のもとに、呼称統一の運びとなりました。
各社印刷物の修正・変更が伴いましたが、商品の導入・発展期だからこそ用語の整理と呼称の統一が出来たものといえます。ロールスクリーンも当時はロールブラインドとも呼ばれており、ロールスクリーンへ呼称統一を図ることになりました。
又、当時、メカモノは国内では知らない人が大半で、認知度も低いこともあり、上記ローマンシェードの呼称やスタイル名、ロールスクリーンの呼称が、ある企業より商標出願されていることが判明し、特許庁への審判請求、情報、資料の提供等の結果、商標登録されることなく、広く皆様方から愛される呼称として・・・今日に至っております。
ローマンシェードの呼称統一問題を参考事例として、窓回り商品等の用語の整理や呼称の統一に関しては、先ずは業界全体としてのまとめ役や調整機関の設定が求められるところであり、期待したいところです。
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