月: 2023年12月

人と環境にやさしい窓回り商品<その2>・・・木製ブラインド等国産スギ材の利用促進・需要拡大に向けて

先の花粉症に関する関係閣僚会議において,10年後に花粉症発生源のスギ人工林を約20%減少させ、将来的には花粉症発生量の50%削減をめざすことが決議されました。今後、官民挙げての持続可能な循環型の森林経営への取り組みや住宅分野におけるスギ材・製品の転換促進が進む中で、木製ブラインド等窓回り商品においても森林資源と環境の持続性に配慮した国産スギ材の利用促進・需要拡大が求められることになります。

1,林野庁、国土交通省によるスギ材需要の拡大について・・・

国産スギ材の需要拡大に向けて、次の様な政策、推進計画が掲げられています。

・木材利用をしやすくする改正建築基準法の円滑な施行(令和6年4月施行予定)

・住宅分野における輸入材からスギ材・製品への転換促進、

・集成材工場、保管施設等の整備支援、

・建築物へのスギ材利用の機運の醸成等

2,木製ブラインドのスギ材利用の現状と今後の課題等

1)木製ブラインド市場の現状は・・・

木製ブラインド市場は、日本インテリア協会の2022年度の「市場規模の策定」によると59,3億円の市場規模となっており、その大半はバスウッド、竹、ハードウッド、レッドシダーなど北米、中国、東南アジアからの輸入材が占めており、国産スギ材の使用はごく一部にとどまっております。

現行市場におけるメーカー各社の樹種材一覧(◎印は防炎品)

バスウッド  竹   桐   スギ ヒノキ樹脂製木調その他
タチカワ  ○  ○ ◎  ◎ ○
ニチベイ  ○  ○  ◎
トーソー  ○  ◎ ○
ナニック  ○ ◎ ○  ◎
東京ブラインド ◎ ◎ ○
ノーマンジャパン ○  ◎ ○
サンゲツ ◎

<注:その他木材はハードウッド、ヒバ、レッドシダー等をさす>

2)国産スギ材の利用促進と今後の課題等・・・

官・民挙げて、住宅分野における輸入材から国産スギ材・製品の転換促進の動きの中で、木製ブラインドへの国産スギ材の利用促進・需要拡大がのぞまれるところです。国産木材においては安定供給面やコスト縮減など環境整備すべき課題がありますが、木製ブラインドに限らず、木製カーテンレール、スダレ等の窓回り商品においても国産スギ材の展開、広がりを期待したいところであり、

防炎品については桐材と樹脂製木調ブラインドだけでなく、輸入材を含めた「全樹種防炎」による、人と環境にやさしい、安全・安心な住環境と商品の提供が求められるところです。

この度の官・民挙げての「住宅分野における輸入材から国産スギ材・製品の転換促進」の動きを契機として、窓回り商品においても、国産スギ材の利活用による材料調達~製品化を推し進め、持続可能な社会への貢献と企業価値向上を図っていただきたいところです。

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