月: 2024年7月

【野村総合研究所】2024年度の 新設住宅着工戸数は 82万戸、2030年度は77万戸、2040年度は58万戸まで減少・・・と発表

野村総合研究所より、2024年度~2040年度の新設住宅着工戸数の短・中期予測が発表になりました。2023年度の80万戸から、2024年度は82万戸、2030年度には77万戸、2040年度には58万戸と減少していく見込みです。

1,2023~2040年度の新設住宅着工戸数の予測(単位:万戸) 

野村総合研究所より『2024~2040年度の新設住宅着工戸数」の推計・予測が発表になりました。 

2022年度実績2023年度実績  2024年度 2030年度 2040年度
野村総合研究所  86   80   *82   77  58

野村総合研究所の発表によると・・・新設住宅着工戸数は2024年度は*82万戸(工事原価高騰の影響が続いた場合、工事原価の高騰が2024年度は継続しない場合は86万戸と予測)、2030年度には77万戸、2040年度には58万戸まで減少する見込みであるという予測になっております。

*先に発表の研究機関の予測は下表の通り(単位;万戸)・・・

2022年度実績 2023年 度実績 2024年度 2025年度
三菱総合研究所 86 80 78 77
三井住友信託銀行 86 80 78 76
三菱UFJリサーチ&コンサルティング 86 80 81 80

新築住宅市場の減少は開口部・窓面積の大幅な減少となり、カーテン等窓まわり商品の販売量、カーテン産地の生産量への大幅な落ち込みに直結いたします。

今年度になって各社から中期経営計画・中期ビジョンが発表になりましたが、経営計画の根幹となる「カーテンをはじめとする窓まわり商品市場の中・長期をどう展望し、方向づけしていくのか・・・」等々に関しては、各社計画の中では明らかになっておりませんが、

新築住宅市場70万戸時代に向けて、窓まわり商品市場のこれからをどう方向づけし、政策展開を図っていくのか・・・中期に向けての重要な経営課題であり、取組みが問われるところです。

***インテリア技術開発研究所・「BLOG・インテリア余話」*** 

 

【ニトリのカーテン回収事業】2022年度から~2023年度の2年間で 持ち込まれた使用済みカーテンは累計重量1,170トンへ! 累計31万8,000人のお客様が参加      

1)持ち込まれた使用済みカーテンは累計重量1,170トンへ・・・ニトリグループが実施中の使用済みカーテンの回収実績が、2022年度から~2023年度までの2年間で、累計重量1,170トンを達成。店舗に持ち込まれたお客様は累計31万8,000人となりました。 

全国のニトリグループ各店舗に31万8,000人ものお客様が使用済みカーテンを持ち込まれました。この数字は中核都市の全人口に匹敵する数字であり、資源循環型社会の貢献に向けた消費者の皆様の関心と参画意識の高さの表れであるといえます。 

持ち込まれた使用済みカーテンの累計重量が大台の1,000トンを越え、1,170トンを達成。この数字がどれほどのものか・・・仮の話として、持ち込まれたカーテンの平均目付重量を200グラム/㎡と仮置きして計算してみると、1,170トンは585万㎡相当となり、この585万㎡はカーテンメーカー、カーテン産地の皆様にはいかほどの数量になるものか、影響の大きさを実感いただけるのではと思われます。

2)企画・設計段階から再資源化を見据えた商品開発へ・・・ニトリグループでは『未来にいいこと。みんなにいいこと。』のキャッチフレーズのもとに、環境に配慮したものづくり、サステナブルな取り組みが進められています。使い終わった後までを考えた、企画・設計段階から再資源化を見据えた商品開発や回収が進んでいます。

使用済みカーテンの回収では自社品・他社品を問わず、全国・全店舗で常時受付中であり、回収された使用済みカーテンは一部は東南アジアへ輸出されるなど、製品や生地として再利用(リユース)されており、一部は自動車の断熱材(フエルト)としてリサイクルされております。 

3)駅チカ店舗「デコホーム」でも全店で受付開始・・・7月8日より期間限定で、全国174店舗の「DECO HOME・デコホーム」でも常時受け付けをスタートし回収対象店舗が拡大します。インテリア雑貨の店舗である「デコホーム」は駅チカ店舗のため、利便性が高く、カーテンの持ち込みがしやすくなり、持ち込まれる使用済みカーテンが更に増加するものと考えられます。

2030年のSDGs開発目標達成に向けて、製造物流小売業の強みをいかした地域密着・顧客直結型の使用済みカーテンの回収~リサイクル事業は全国規模での広がり・浸透を見せていくものと考えられます。

オーダーカーテン業界においても資源循環型社会の実現に向けた取組みを加速させていくと共に、地域々のお客様に対し、環境配慮に関わる情報発信力の強化を図り、商品・サービスの提供・強化が求められるところです。

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循環型社会の貢献に向けて窓まわり商品も業界全体としての取組みを・・・

サッシ業界を始めとして、床材では『日本リサイクルカーペット協会」、家具・インテリア業界では「家具インテリアリサイクル協会」が設立され、資源循環型社会への貢献を業界全体で推し進めていこうとした動きとなっていますが、カーテン、ブラインド等窓まわり商品業界では業界全体としての取り組みとはなっておりません。不要になったカーテン・ブラインド・スクリーン類の回収・再利用・再資源化への取り組みは、企業単独での取り組みには限界があり、仮称『WT商品リサイクル協会」の設立の検討など 業界全体としての取組みが求められるところであり、2030年のSDGs開発目標に向けて具体的成果の実現・積み上げが期待されるところです。

***「BLOG・インテリア余話』インテリア技術開発研究所***