2030年のSDGs開発目標に向けて「つくる責任」「つかう責任」が問われている中にあって、人と環境にやさしい、持続可能な社会への貢献と企業価値向上は最重要経営課題であり、窓まわり商品のサステナブル商品化比率の拡大・強化に向けた取組みを加速、強化していく必要があります。
1,天然繊維・環境配慮型素材による、人と環境にやさしい窓まわり商品をめざして
カーテン、ロールスクリーン等窓まわり商品がポリエステル100%素材全盛の時代になって久しく、例えば、ロールスクリーンにおいては、導入・発展期である1980年代当初は、素材は綿や麻、セルロース系繊維やガラス繊維で構成されており、化石資源を原料とするポリエステルはほとんど皆無の時代でしたが、テトロン等の商標でポリエステルが窓まわり商品に使われるようになり、ウオッシャブル性や防縮性、形態安定性等が評価され、市場は天然素材からポリエステルへと移り、今日に至っております。
しかし時代は、2030年のSDGs開発目標に向けて「サーキュラーエコノミー社会の実現」、「サステナブル商品の拡大」、「産業廃棄物の再資源化」等、持続可能な社会への貢献と企業価値向上が求められております。
これからの窓まわり商品は、枯渇性資源である、環境負荷の高い、化石資源依存の時代から、天然繊維や植物由来素材等の環境配慮型素材によるサステナブル商品化比率の拡大・強化への取組みを加速していく必要があります。
2,人と環境にやさしい天然繊維によるロールスクリーンの再デビューへ
2030年・SDGs開発目標をめざして・・・綿の持つナチュラルな質感や素材感、優れた通気性・吸湿性・保温性や、優れた発色性など、天然素材のもつ良さを見直し、人と環境にやさしい天然繊維によるロールスクリーンの再デビューが待たれるところです。
ロールスクリーンのこれまでの歴史の中で・・・ロールスクリーンの導入・発展期には、綿100%や綿混、麻使いのロールスクリーンは根強い人気があり、売上拡大・市場拡大に大きく寄与したものです。
しかし、当時の樹脂加工技術レベルでは、ロールスクリーンに求められる品質・機能の安定化は難しいところがあり、ポリエステル素材が導入されるようになると、品質・機能に優れたポリエステル繊維へと市場は大きく舵を切っていったということです。
当時は防炎硬仕上樹脂加工技術や防縮加工もまだまだ未熟な時代であり、綿、綿混素材が敬遠された嫌いがあり、天然繊維はロールスクリーンには不向きだ等々のレッテルを貼ってしまい、そこで商品化研究・技術開発をSTOPしてしまったことです。当時は環境に対する意識も低く、インテリア業界全体が持続的な研究開発・技術開発を手放してしまったということになります。
現代においては、当時と比べて防炎樹脂加工技術や形態安定加工も進化しており、2030年のSDGs開発目標めざして、人と環境にやさしい天然繊維や植物由来素材等によるロールスクリーンの商品化を加速させ、消費者との共創による「つかう責任・つくる責任」を果たし、持続可能な社会への貢献と企業価値向上を図っていきたいものです。
これまでの環境負荷の高い、ポリエステル等の化石資源素材依存から、環境配慮型素材・エコマテリアルによる「環境調和型製品」の開発・導入はサステナブル時代の要請であり、消費者との共創・協働にる、サステナブルな社会の実現が待たれるところです。
注;環境調和型製品(Environmentally Conscious Products)とは・・・ 材料調達・製造・流通・使用・廃棄・リサイクルといった製品のライフサイクル全ての段階を通じて環境に配慮した製品をいう。
***[BLOG・インテリア余話」インテリア技術開発研究所***