月: 2025年1月

環境省『先進的窓リノベ2024事業』の結果発表・・・補助金申請額は予算対比73%、920億8,884万円で受付終了!

環境省発表によると「先進的窓リノベ2024事業」は2024年12月31日をもって交付申請の受付が終了いたしました。予算総額1,350億円に対する補助金申請額の割合は73%、920億8,884万円という結果となりました。

1,先進的窓リノベ2024事業の結果概況

1)予算総額 1,350億円(戸建て+集合住宅合せた予算)

2)対象・・・開口部の改修(ガラス交換、内窓設置、外窓交換、ドア交換)

3)補助金申請結果・・・2024年12月31日交付申請受付終了

  先進的窓リノベ2024事業の結果件数・戸数・金額       備  考
類計件数 302,977件
  交付申請戸数 323,868戸
  交付申請金額920億8,884万円  *予算比73% 

2)「先進的窓リノベ2025事業」の予算概況等

補助金総額は前年同様 1,350億円。対象となる工事の実施期間は2024年11月22日から~2025年12月31日工事完了までとなり、交付申請は全ての工事が完了する2025年3月下旬から~12月31日までとなっています。

<2025事業のグレード別・内窓設置の補助金額> 

      グレード区分     大きさの区分   補助金額  
SSグレード(熱貫流率Uw1,1以下)    大(2,8㎡以上)106,000円
      〃    中(1,6㎡~2,8㎡未満)72,000円
      〃    小(0,2㎡~1,6㎡未満)46,000円
Sグレード(熱貫流率Uw1,5以下)    大(2,8㎡以上)65,000円
      〃    中(1,6㎡~2,8㎡未満)44,000円
      〃    小(0,2㎡~1,6㎡未満)28,000円
Aグレード(熱貫流率Uw1,9以下)    大(2,8㎡以上)26,000円
      〃    中(1,6㎡~2,8㎡未満)18,000円
      〃    小(0,2㎡~1,6㎡未満)12,000円

内窓設置⇔窓まわり商品の買い換え需要等ビジネスチャンスの拡大へ・・・インテリア専門店、内装工事店による内窓設置・施工が増加しています。20代から~50代世代を中心に「住宅の省エネ・窓の省エネ・断熱」への関心が高まる中で、「先進的窓リノベ2025事業」の補助金制度の利活用による内窓設置と装飾性と機能性を兼ね備えた新たな窓の装い方提案など、新たなビジネスチャンスの拡大が期待されます。

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【提言・用語の整理・呼称の統一に向けて】・・・ レースとドレープ機能を兼ね備えた1台二役の『バーチカルブラインド』が各社各様の用語・商品呼称で発売中

レースとドレープ機能を兼ね備えた、バーチカルブラインドが各社各様の呼称で発売されています。シェード、カーテン、調光ブラインド、ツインタイプなどなど、各社それぞれの用語・商品呼称で市場に出回っています。左右開閉、ルーバーの角度調節による調光機能等の基本的仕様は、従来からのバーチカルブラインドそのものであり、業界で広く、共通に認知され、消費者にわかりやすく、愛される製品として、用語の整理、呼称の統一が必要ではないかと考えられます。

1、発売中の各社各様の呼称は次の通り・・・ 

2024年12月、トーソーから「バーチカルブラインド・デュアルツイン」、ニトリから「バーチカルブラインド・ツインタイプ」が相次いで発売され、市場では次の通り各社・各様の呼称で出回っています。

            呼   称     メーカー
  スマートドレープシェードノーマン ジャパン
  スマートカーテンヨシダ工業サービス(沖縄)
  バーチカルシェードWIS(広島)
  調光タテ型ブラインドタチカワブラインド
  バーチカルブラインド・デュアルツイントーソー
  バーチカルブラインド・ツインタイプニトリ
  バーチカルブラインド・バックレースタイプニチベイ

2、1990年当時の「ローマンシェードの呼称統一」問題と状況は同じである

(1)ローマンシェードの呼称統一問題とは・・・1990年、ローマンシェードが市場に出回り始めた当時と状況は全く同じです。当時のローマンシェードは「ローマンシェード、ローマンカーテン、たくしあげカーテン、窓掛け、カスケード、チリチリカーテン」などなど、各社各様の商品呼称やスタイル名で呼ばれており、業界として用語の整理・呼称の統一が必要であるということで、日本インテリアファブリック協会の中に「ローマンシェード呼称委員会」が設けられ、各社各様の思惑・政策の中で調整は難航し、呼称の統一に至るまでには委員会の開催・協議を幾度となく重ね、最終的には、業界として用語の整理・呼称の統一を図ることができ、現在の「ローマンシェード」という統一呼称に至っています。

(2)窓まわり商品の用語の整理・確認について・・・同委員会では「カーテンとは・・・シェードとは・・・ブラインドとは・・・スクリーンとは・・・」の窓まわり商品の用語の整理・確認も行い、当時、ロールスクリーンは「ロールブラインド、ローラーブラインド」と呼ばれていましたが、ブラインドではなく、スクリーンとして、「ロールスクリーン」に統一していこうとなり、カタログでの呼称変更等市場は順次切り替わり、現在の「ロールスクリーン」という統一呼称に至っています。

3、窓まわり商品の用語の整理、商品呼称の統一に向けて・・・

1)発売中の各社製品は・・・従来からの「タテ型ブラインド=バーチカルブラインド」の特長である、左右開閉、ルーバーの角度調節による調光・採光機能を基本仕様とするものであり、

2)ルーバー部がレースとドレープで構成されており、各社若干の仕様の違いはあれど「カーテン、シェード、調光、ツイン、バックレース」と各社各様の用語、商品呼称で発売されています。

3)本来、バーチカルブラインドはルーバーの角度調整・回転機能により、調光・採光コントロールを最大の特長とする窓まわり商品であり、用語の整理と商品呼称の統一がのぞまれるところです。

4)カーテンとは、シェードとは、ブラインドとは、スクリーンとは・・・今後、2030年に向けて、窓まわり商品は複合機能型の製品開発等が増加していくことが予測される中にあって、将来に渡って市場や呼称が混乱することのないよう、業界として、改めて「カーテンとは、シェードとは、ブラインドとは、スクリーンとは・・・」用語の整理が必要ではないかと考えられます。

関係業界、団体等においては、将来に渡って、業界全体で広く、共通に認知され、消費者にわかりやすい、愛される製品として、今一度、窓まわり商品の用語の整理、呼称の統一をご検討いただきますよう・・・当研究所は願っております

(尚、先の2023年8月24日、当ブログ上で公開の「窓まわり商品の用語の整理、呼称の統一問題等」も併せてご参照ください)

***[BLOG・インテリア余話」インテリア技術開発研究所**

  

【ユーザー・インターネット時代へ】・・・ユーザー向け提案力・情報発信力が問われる時代へ・・・見本帳ビジネスのあり方を考える

2030年に向けて、時代はユーザー・インターネット時代へWEBサイトの活用による情報・商品の選択、購買意思決定へ・・・2023年度のインターネット利用率は90%に迫るまでに増加しており、BtoC-EC市場は年々増加傾向にありこれまでの見本帳ビジネスのあり方も変化していくものと考えられます。

1)EC取引は年々増加傾向にあり・・・

経済産業省・商務情報政策局の「2023年度の電子商取引に関する市場調査」報告によると・・・EC取引は、年々増加傾向にあり、BtoC-EC市場は成長率が高く、2023年度の生活雑貨・家具・インテリア市場は前年比5,0%増,EC化率は31,5%となっています。

*EC取引とはインターネットを利用して受発注がコンピューターネットワークシステム上で行われることを要件とする取り引きをいう。

2)カーテン、ロールスクリーン等窓まわり商品はEC販売と相性が良い商品である・・・

経産省の同調査報告によると・・・家具やインテリア商品は物理的なサイズが大きいこともあり、豊富なラインナップを取り揃えるには売り場や在庫の制約がある。またサイズや色に関して、各家庭のニーズに合わせて様々な取り揃えが求められ、この点、ECサイトでは同じ商品の色違いやサイズの違いの掲載が可能となり、部屋のコーディネートもパターン別に紹介することが出来るなど、家具・インテリア商品はEC販売と相性の良いカテゴリーといえます。

また、拡張現実(AR)の技術を使い、家具やインテリア商品を自宅の部屋に置いたイメージをスマートフォンで確認できる機能を提供する事業者も近年増えており、こうした技術の活用により、購入前に実店舗で実物を確認したいといった需要が根強い家具やインテリア商品について、部屋の広さや雰囲気に適しているかを把握しやすくなり、ECサイト上で消費者の嗜好や生活様式に寄り添った商品を提案する技術も進化しており、新たな需要の発掘が期待されます。

*拡張現実とはAugmented Realityの略で、現実世界にデジタル情報を重ね合わせ、現実を拡張する技術であり、より効率的に、より便利な社会を実現することをいう。

3)2030年に向けて、見本帳ビジネスのあり方も変化していく・・・

『「実物を見てから購入する」から・・・顧客のニーズ、生活シーンに寄り添った、自宅にカーテン、ロールスクリーンを吊したイメージを、WEBサイト上で視認・確認出来る商品・サービスの提案、提供が、2030年に向けて更に拡大していくものと予測され、これまでの見本帳ビジネスの見直しが求められる時代の到来が予見されます』

1980年代にロールスクリーンを国内で初めて上市した当初は、今の様なカット生地を貼付した見本帳ビジネスでなく、ヨーロッパのメーカー同様に、取付・使用事例写真を豊富に掲載し、お客様がロールスクリーンのある我が家の暮らしぶりやイメージを重ね合せながら、見て楽しい、カタログ・情報の提供と別途生地見本という、現行の見本帳ビジネスとは違うビジネススタイルでした。現行のカット生地を貼付した、分厚い見本帳は多額の経費と回収・分解・廃棄等環境問題を抱える中にあって、上記のようなカタログビジネスを今一度検討してみる必要があろうかと考えられます。

2030年に向けて、窓まわり商品市場を取り巻く経営環境が大きく様変わりしていく中にあって、自社・自店の強み・ブランディング力を如何に発揮・発現していくか・・・現行の見本帳ビジネスから、お客様へのプレゼンテーション力や情報提供のあり方、提案力が益々重要になってくるものと考えられます。 

窓まわり商品市場もこれまでのBtoBから~BtoCへ、これまでの見本帳ビジネスも変化していくものと考えられ、エンドユーザーを対象とした、多様化するニーズや生活シーンに寄り添った、提案力や情報発信力が問われる時代へと、ビジネスの軸足が移っていくのではと考えられます。

***[BLOG・インテリア余話」インテリア技術開発研究所***

 

【新年のご挨拶】新春のお慶びを申上げます 本年も「BLOG・インテリア余話」をご愛読・お引き立てのほど よろしくお願いいたします

「BLOG・インテリア余話」では、時々の経営情報や業界動向、社会課題解決向けての政策提案等をタイムリーにお届け出来ますよう努めております。本年もお引き立ての程よろしくお願い申し上げます。

昨年お届けいたしました「BLOG・インテリア余話」の中で、「カーテン市場の年々の大幅な減少が続く中、減少傾向への歯止め対策・市場活性化対策にどう取り組んでいくか・・・」に、多くの皆様方からご関心が寄せられました。

この10年間におけるカーテン市場は、2014年度の1,120億円から~2023年度には950億円と実に15,2%減、170億円の減少となっており、中でも国産カーテンの落ち込みは大きく、カーテン市場の立て直し、市場活性化対策が急がれます。

2030年に向けて・・・室内装飾事業を取り巻く経営環境は大きく様変わりし、新設住宅着工戸数は70万戸台へ、窓はアルミ樹脂複合窓や樹脂窓、木製窓による「高断熱化」が進み、消費者の嗜好や生活様式も様変わりしていくことが予測される中で、これら多様化するニーズにどう応えていくか・・・人と環境にやさしいサステナブル商品の提供や、窓辺の新しい装い方や機能性、電動化によるスマートな暮らしぶり提案等々、消費者の嗜好や生活様式の変化に寄り添った、提案力や情報発信力の強化がますます重要になってくるものと思われます。

2025年も引き続き円安・ドル高や物価高、原材料価格の高止まり等々、厳しい経営環境が続くことが予測され、当研究所では時々の経営情報や社会課題等をタイムリーにお届け出来ますよう努めていきたいと考えております。

本年も「BLOG・インテリア余話」をご愛読・お引き立ての程よろしくお願い申し上げます。

令和7年元旦

【新刊案内】「ロールスクリーンの専門的実践知識」を発行。窓装飾の専門的・実践的知識を深めるための専門書です。社員研修用教材としても最適で、好評発売中・・・詳しくは2024年12月1日の同ブログを参照下さい。