【決算発表】インテリア関連 上場企業各社の2024年度・第3四半期決算が出揃いました・・・サンゲツ 東リ リリカラ タチカワ トーソー ニトリ YKK AP(加筆・改訂))
インテリア関連の上場企業各社の2024年度・第3四半期決算発表が出揃いました。建設・住宅市場においては、新設住宅着工戸数の減少や着工床面積の前年割れが続き、原材料価格の高騰や建設コストの高止まり等、室内装飾事業を取り巻く経営環境は先行き不透明な状況下での各社第3四半期決算となったようです。
***インテリア関連企業各社の2024年度・第3四半期決算一覧***
サンゲツ、東リ、トーソー、ニトリ、YKK AP各社は2025年3月期・第3四半期決算、リリカラ、タチカワブラインドは2024年12月期・第3四半期決算となります。
1)連結業績(単位:百万円)・・・
決算期 | 売上高 | 前年同期比 | 営業利益 | 前年同期比 | |
サンゲツ | 2025年3月期 | 147,299 | 105,2% | 12,646 | 84,5% |
東リ | 〃 | 75,046 | 102,5% | 2,171 | 75,9% |
リリカラ | 2024年12月期 | 25,349 | 103,7% | 損失167 | ー |
タチカワ | 〃 | 29,975 | 100,6% | 2,940 | 106,8% |
トーソー | 2025年3月期 | 16,462 | 104,0% | 356 | 145,3% |
ニトリ | 〃 | 704,945 | 106,2% | 98,914 | 101,1% |
2)セグメント業績(単位百万円)・・・
セグメント | 決算期 | 売上高 | 前年同期比 | 営業利益 | 前年同期比 |
サンゲツ 国内インテリア | 2025年3月期 | 121,598 | 103,3% | 13,431 | 88,3% |
東リ プロダクト事業 | 〃 | 45,265 | 101,7% | 1,594 | 73,6% |
リリカラ インテリア事業 | 2024年12月期 | 17,742 | 96,3% | 損失228 | ー |
タチカワ 室内外装品事業 | 〃 | 25,477 | 102,0% | 2,663 | 106,8% |
トーソー 室内装飾事業 | 2025年3月期 | 16,097 | 104,0% | 330 | 158,0% |
ニトリ ニトリ事業 | 〃 | 620,831 | 107,1% | 96,113 | 101,3% |
YKK YKK AP事業 | 〃 | 425,500 | 103,6% | 16,200 | 63,5% |
3)経営成績の概況等:セグメント事業・・・
●サンゲツ・・・国内インテリア事業においては、商品・デザイン・物流・施工機能を地域、顧客に応じて提案するソリューション提供の強化・拡大を進めてきた。調達コスト、物流費、ユーティリティコスト等の継続的な上昇を踏まえ、12月1日受注分より商品取引価格の改定を実施した。
ユニット別売上高は、壁装58,646百万円(前年同期比1,1%増)、床材42,715百万円(同3,9%増)、ファブリック7,066百万円(同0,9%増)、デザインフイー施工費等13,170百万円(同13,3%増)となった。
●東リ・・・プロダクト事業においては、当第3四半期に新発売した高付加価値製品を中心に販促活動に注力した。原材料価格や物流費の上昇を背景に、上代価格の改定を実施し収益改善に努めた。
ビニル系床材全体の売上は前年比微増となり、カーペット及び壁紙の売上高は前年並みで推移した。カーテンでは住宅向けカーテン「フフル」や教育・医療施設向けカーテン「コントラクトカーテン」の販促に注力してきたが、オーダーカーテン需要が弱含みで推移し、売上高は前年を下回った。
●リリカラ・・・インテリア事業においては、5月に戸建て、マンション、リフォーム等住まいの様々なニーズに対応するビニル系見本帳「V-ウォール」、「らくらくリフォーム」を発行。壁装材見本帳、カーテン見本帳「サーラ」、床材見本帳等を増刷発行し拡販に努めたが、原材料、物流費等のコストが高騰するなど厳しい環境で推移した。
●タチカワブラインド・・・室内外装品関連事業においては、「安心・安全・快適・環境・健康」をキーワードに、多様化するニーズを的確に捉えた製品開発に努めるとともに、新たな需要喚起による市場開拓、新製品の早期市場浸透を進めた。木製ブラインドでは国産木材の使用等環境配慮型スラットの追加や、リモコンやスイッチで簡単操作できる電動製品を新たにラインナップし、充電式バッテリー搭載の「バッテリー仕様」の拡充を図った。
「タチカワブラインド新製品発表会」を開催し、”広がる、彩り豊かな暮らし方”をテーマに今年発売の新製品をはじめ、新たな価値観や多様化するニーズに対応する製品を訴求してきた。
●トーソー・・・室内装飾関連事業においては、7月の新製品に加え、外からの視線を遮ることが出来るレース付きバーチカルブラインドや、従来品よりも許容荷重を増やした収納専用ハンギングバーの新製品を12月に発売した。
日本最大級の国際インテリア見本市「JAPANTEX2024」や日本の建築業界最大級のビジネス創出の場である「Japan Home Show&Building Show」に出店し、7月、12月に発売した製品の拡販に努めた。
●ニトリ・・・ニトリ事業においては当第3四半期において、ニトリ15店舗、デコホーム14店舗を出店した。売上施策としては顧客参加型ライブコマース「ニトリ LIVE」で収録された動画をECサイトにも掲載し、お客様への商品紹介動画として活用した。最大2,100アイテムを期間限定値下げ価格で提供する「ニトリ57周年記念創業祭を実施した。
売上原価については円安の進行により、輸入商品の原価上昇影響を受けたが、原価低減対策として、円安に対応した商品開発を進め、商品入れ替えにより利益改善に努めた。物流施策としては、川上から川下までの物流機能の全体最適の実現を目的とした物流戦略プロジェクトを推進し、DC拠点の最適配置と機能集約を進めてきた。
●YKK ・・・YKK AP事業においては、住宅用樹脂窓やリフォーム製品の販売が伸長し、売上は前年を上回ったが、営業利益においては資材価格の高騰や販管費の増加等の影響を製造コストダウン等で吸収できなかった。海外では住宅建材、ビル用建材とも好調で、北米、中国、台湾、インドネシアで販売が好調に推移した。
*上場企業各社の第3四半期決算の詳細については各社発表の決算短信等にてご確認ください。
***「BLOG・インテリア余話」インテリア技術開発研究所***