月: 2025年3月

4月1日から『改正建築物省エネ法』が施行され、全ての新築住宅に「断熱・省エネ」基準が義務づけられ、窓の高断熱化、断熱窓が一気に普及・拡大していくことになります。

2025年4月1日からの「改正建築物省エネ法」施行により、住宅の断熱・省エネ化が一気に加速され,住環境は大きく様変わりしていくことになります。天井や壁だけでなく、開口部(窓、ドアー)も断熱が必要となり、断熱等級4(東京、大阪の場合で、UA値0,87 ηAC値2,8)の適合が義務化されることになります。

「改正建築物省エネ法」が施行され,全ての新築住宅に省エネ基準適合が義務づけられます。

2025年4月1日から全ての新築住宅・非住宅に省エネ基準適合が義務づけられます。これまでは300㎡未満の住宅は対象外でしたが、4月1日からは省エネ基準適合が求められることになり、増改築については増改築部分のみが対象となります。  

住宅の断熱・省エネ化とともに、当然ながら窓の高断熱化・省エネも一気に進みます。

窓の断熱化、リフォームに活用できる補助金制度である「先進的窓リノベ2025事業」や「既存住宅における断熱リフォーム支援事業」の公募が3月より開始され,これら支援事業・補助金の活用により、内窓設置や樹脂窓、アルミ樹脂複合窓、木製窓が更に普及・拡大していくものと考えられます。

「断熱・省エネ」重視の住宅・住環境の広がりにより,冬の寒さや夏の暑さ対策が改善されるのと相俟って、消費者の生活様式も大きく様変わりしていくことが予測されます。

■窓まわり商品のこれからをどう構築していくか・・・

住宅や窓の断熱化・省エネ化が進み、省エネ基準適合の新築住宅が増加し、消費者の嗜好や生活様式も大きく変化してくると、窓まわり商品に求められる装飾性や機能性のあり方が、改めて問われることになります。

大胆な見方をすれば・・・住宅や窓の断熱化・省エネ化が進んでくると、これからのカーテン等窓まわり商品は「断熱であること、省エネであること」の役割・機能が薄れ、窓辺の装いは『よりシンプルに、よりスマートに、よりサステナブルな方向』へと変化していくものと予測されます。時代の変化、多様化するニーズに見合った窓まわり商品のこれからをどう構築していくか・・・問われることになりそうです。

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【最新情報】各研究機関発表 新設住宅着工戸数予測(2024年度~2026年度) 

2025年2月から~2025年3月にかけて、 各研究機関(シンクタンク)より、2024年度、2025年度、2026年度の新設住宅着工戸数の短期予測発表がありました。年々の減少傾向の流れは変わらず、低調な状況が続くとの見通しとなっています。

各研究機関による新設住宅着工戸数の短期予測一覧(2024年度、2025年度、2026年度)                                

  研究機関名 2024年度予測(%) 2025年度予測(%)2026年度予測(%)
三菱総合研究所79,2(△1,0%)77,6(△2,0%)77,6( 0,0%)   
三井住友信託銀行79,0(△1,2%)77,2(△2,3%) 76,3(△1,2%)
三菱UFJリサーチ&C79,2(△1,0%)78,8(△0,5%)78,6(△0,3%)
東レ経営研究所79,4(△0,7%)79,3(△0,1%)78,3(△1,3%)

注:2025年2~3月発表現在;単位万戸、(%)は前年度比。

出 所・・・

*三菱総合研究所・日本経済の展望(2025年2月発表) *三井住友信託銀行・日本経済見通し(2025年3月発表) *三菱UFJリサーチ&コンサルタント・2024-2025短期経済見通し(2025年2月発表) *東レ経営研究所・2025,2026年度日本経済見通し(2025年2月発表)・・・より引用・作表。

概況等・・・

各研究機関より、2025年2月から~3月にかけて発表された、最新の「新設住宅着工戸数」の短期予測によると、建築資材価格の高止まりや,人手不足を背景に,新設住宅着工戸数は戸建てを中心に低調な状況が続くとの見通しとなっています。

2024年度~2026年度短期予測では,これまでの80万戸時代から、79万戸から76万戸台へと新築住宅市場は落ち込み、新築市場の減少はカーテン等の窓まわり商品への影響が大きく,先行き不透明な厳しい経営環境が続くことになります。

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【新刊案内】「ロールスクリーンの専門的実践知識」を発行。窓まわり商品の専門的知識とスキルの向上にお役立ていただきたい専門書です。社内研修用としても最適の教材です。詳しくは同ブログ(2024年12月1日公開)をご参照ください。

窓まわり商品の用語の整理・商品呼称統一に向けて(その2)・【加筆版】

先の1月14日、当BLOG上で発表いたしました「提言・用語の整理と商品呼称の統一に向けて・・・レースとドレープの機能を兼ね備えたバーチカルブラインドが各社各様の商品呼称で発売中」については、多くの皆様のご関心、ご意見等をいただきました。商品呼称統一に向けたご意見や、ローマンシェードの当時の呼称統一問題は初めて知った等々のご意見が多く寄せられました。

<先の1月14日公開の「提言・用語の整理と商品呼称の統一に向けて」も併せてご参照ください>

1)レースとドレープの機能を備えたバーチカルブラインドが各社各様の呼称で発売中

発売中の各社製品は、各社各様の違いはあるものの、基本的には従来からの「バーチカルブラインドの特長である、左右開閉・ルーバーの角度調節による調光機能」を基本仕様とするものであり、各社各様の呼称で次の通り発売されています。 

          呼  称   メーカー  備 考
スマートドレープシェードノーマンジャパン
スマートカーテンヨシダ工業サービス
バーチカルシェードWIS
調光タテ型ブラインドタチカワブラインド
バーチカルブラインド・デュアルツイントーソー
バーチカルブラインド・ツインタイプニトリ
バーチカルブラインド・バックレースタイプニチベイ

■ローマンシェードの呼称統一問題とは・・・

ローマンシェードが国内で出回り始めた1980年代後半から1990年当時のローマンシェードは「ローマンシェード、ローマンカーテン、たくしあげカーテン、カスケード、チリチリカーテン」などなど、各社各様の商品呼称・スタイル名で呼ばれていました。

業界として用語の整理・呼称の統一が必要であるということで・・・呼称の統一に向けての協議、調整が重ねられた結果、現在の「ローマンシェード」という統一呼称に至ったという歴史があります。 

2)日本インテリ協会「インテリ用語」による商品呼称の解説は次の通りとなっています。

      商 品 呼 称                      定義・解 説 等
カーテンとは・・・生地(ファブリック)を仕立てて、カーテンレールに吊るし、左右に開閉して使用する、又は掛けたままの状態で使用する装飾性及び機能性を兼ね備えた窓掛け。
シェード/幕体とは・・・上下に開閉する窓装飾エレメントに取り付けるために仕立てた生地(ファブリック)
ローマンシェードとは・・・生地(ファブリック)を仕立てたシェード・幕体を、昇降器具に取り付け、上下に開閉を行う窓装飾エレメントの呼称。
バーチカルブラインドとは・・・垂直に吊られたルーバー(羽根)を回転させて、調光を行い、左右に開閉できる縦型のブラインド。
ロールスクリーンとは・・・フラットなスクリーンを、上部に巻き上げ機構を内蔵したパイプで巻き取って、上下に開閉させる窓装飾エレメント。

(出所:(一社)日本インテリ協会の「インテリア用語」より引用抜粋)

        (出所:一般社団法人・日本インテリア協会「インテリア用語」より引用・抜粋)

3)「インテリアコーディネーター用語辞典」においても同様の解説となっています

●カーテンとは・・・開口部に取り付けられる吊り下げ状の幕のこと。語源はラテン語のコルティナ(覆いの意)といわれる。

●シェードとは・・・上下方向に昇降させながら開閉させるもので、代表的なものにローマンシェードがある。

●バーチカルブラインドとは・・・縦に吊したルーバーの開閉や、角度調節により光量を調節する縦型ブラインド。

●ロールスクリーンとは・・・スプリングを内蔵したロールパイプで布を巻き上げるもので、スクリーンには樹脂加工を施した綿や麻、ポリエステルの布が用いられる。・・・と解説されています。

      (出所:株式会社・井上書院発行の「インテリアコーディネーター用語辞典」改訂版より引用・抜粋)

4)用語の整理・商品呼称の統一に向けて・・・ 

上記のように「インテリア用語」および「インテリアコーディネーター用語辞典」において、窓まわり商品の用語の定義・解説がなされています。

各メーカーから発売中の「レースとドレープ機能を兼ね備えたバーチカルブラインド」においては、・・・『将来にわたり、業界全体で広く、共通に認識され、消費者にわかりやすい、愛される商品として』・・・商品呼称の統一が図られるよう・・・期待したいところです。 

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