月: 2025年6月

【最新情報】研究機関発表・2025年度の「新設住宅着工」予測

2025年5月~6月にかけて、各研究機関から2025年度、2026年度の短期経済見通しが発表され、この中で2025年度、2026年度の新設住宅着工戸数の予測が発表されました。

■各研究機関発表・新設住宅着工戸数予測(2025年度、2026年度・単位万戸

人口減少や世帯数の減少に加え、建設費の高騰にともなう新築住宅価格の高騰や住宅ローン金利の上昇は今後も続く見通しであり、

🔶2025年度の新設住宅着工戸数は、前年の81,6万戸から減少し、75,2万戸~78,6万戸台で推移するとなっています。

  研究機関     2024年度実績  2025年度予測(前年比)2026年度予測(前年比)
三菱総合研究所81,6 78,6(96,3%)  78,6(100,0)
みずほリサーチ&T81,6 75,7 (92,8%)   77,4 (102,2%)
三菱UFJリサーチ&C81,6 75,2(92,2%)  77,5 (103,1%)
ニッセイ基礎研究所81,6 75,3(92,3%)  76,5 (101,6%)
東レ経営研究所81,6 76,5(93,8%)  77,6 (101,4%)

■出 所・・・「三菱総合研究所・日本経済の展望、発表2025,5,19」、 「みずほリサーチ&テクノロジーズ・内外経済見通し 発表2025,5,21」、「三菱UFJリサーチ&コンサルティング・短期経済見通し 発表2025,6,9」、「ニッセイ基礎研究所・経済見通し 発表2025,6,9」、「東レ経営研究所・日本経済見通し 発表2025,6,10」

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【業界探訪②】カーテンのWEBカタログは従来からの生地見本中心…消費者のライフスタイルに寄り添ったカタログづくり、提案力強化へ 

カーテンはこの10年間で大きく市場規模を減少させています。一方、ロールスクリーンは年々堅調に売り上げを伸ばし市場規模拡大を図っています。カーテンの減少傾向への歯止め対策、市場活性化対策が急がれる中、カーテンのWEBカタログは従来からの生地見本中心で、消費者のニーズやライフスタイルに寄り添った提案力、情報発信力の更なる強化へ・・・

🔶カーテンとロールスクリーンの「WEBカタログ」づくりの違いは🔶

近年、消費者の皆さんはWEB上で窓まわり商品を視認・確認する機会が増え、カーテン、ブラインド業界ともにWEBカタログに力を注いでいます。しかし、WEBカタログづくりにおいて、カーテンとロールスクリーンとでは違いがあります。

■カーテンのWEBカタログづくりは従来からの生地見本中心。 一方、ロールスクリーンのWEBカタログは、消費者の生活シーン別・部屋別・窓のタイプ別の取付事例写真を豊富に取り入れたカタログづくりであり、消費者のニーズや生活シーンに寄り添った、我が家にロールスクリーンを取り付けたイメージを、お客様がWEBサイト上で視認・確認できるカタログづくりとなっています。カーテンも消費者のニーズやライフスタイルに寄り添ったWEBカタログづくりへ、エンドユーザーへの提案力・情報発信力強化へ・・・

■EC取引は年々増加傾向にあり・・・経産省・商務情報政策局による「2023年度の電子商取引に関する市場調査」報告書によると、B to C-EC市場は成長率が高く、2023年度の生活雑貨・家具・インテリア市場は前年比5,0%増,EC化率は31,5%となっています。

■同商務情報政策局によると・・・「家具やインテリアは,ECサイト上で同じ商品の色違いや部屋のコーディネートもパターン別に紹介できるなど、家具・インテリア商品はECサイト上での相性の良いカテゴリーである」と言われています。

■2030年に向けて・・・WEBサイト上で消費者が窓まわり商品の視認・確認ができる商品・サービス・情報の提案・提供が更に普及・拡大していくものと考えられます。

■地域々の特性や自社・自店の強みをいかした・・・お客様のニーズや生活シーンに寄り添った、お客様が我が家に取り付けてみたいとワクワクされる、見せる・魅せるカタログづくりへ・・・生活シーンや窓のタイプ別、取り付け・施工事例を豊富に取り入れた写真集など、ポスト見本帳として、WEBカタログはこれからの時代の効果的な販促ツールとして期待されます。

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『断熱等級4』の適合・義務化により・・・住環境はより快適に、窓は高断熱化が進み、窓辺の装いは新たな機能や装飾性が求められる時代へ(加筆版)

2025年4月1日より、改正建築物省エネ法が施行され、全ての新築住宅および増改築部分に「断熱等級4」の適合が義務化されました。冬は暖かく、夏は涼しく、住環境は大幅に改善され、窓は高断熱化が進み、窓辺はよりシンプルに、よりスマートな装い・機能へ・・・法改正による窓の高断熱化に対応した、窓まわり商品の提供、提案力の強化が求められています

1、「断熱等級4」により、住環境はより快適に・・・ 

断熱等級4とは・・・「次世代省エネ基準」と呼ばれ、壁や天井だけでなく、開口部・窓、ドアーにも断熱が求められ、窓には複層ガラスなどの断熱窓の使用が義務化されることになります。

高断熱住宅のメリットは・・・■冬は暖かく、夏は涼しく、光熱費の削減。■部屋間の温度差がなくなり、熱中症やヒートショックのリスクが低くなる。■補助金や税制上の優遇対象となる。・・・等々のメリットがあげられます。

2,断熱等級は「UA値」と「ηAC値」という2つの数値で決定されます。・・・

■UA値とは・・・外皮平均熱還流率、住宅から失われる熱量の平均値で、家の内外の熱の出入りのしやすさの度合いを表す。数値が低いほど建物の断熱性能が高いことになります。

■ηAC値とは・・・ηはイータと呼びます。太陽の日射熱がどれだけ室内に入りやすいかを表す指標です。数値が低いほど断熱性能が高く、夏場の冷房効果を高め夏は涼しく光熱費の削減につながります。

3、「断熱等級4」の義務化による窓の高断熱化により~窓辺の装いは大きく様変わり

省エネ基準適合の新築住宅の増加により、住宅や窓の断熱化、省エネ化とともに、窓まわり商品に求められる機能や装飾性のあり方も様変わりしていくものと考えられます。

例えば、2030年に向けて、カーテンはこれまでのような,レース+ドレープのダブル付けの概念等が薄れ、一枚掛けやウエーブスタイルなどシンプルな装いが広まり、近年はロールスクリーンの電動化比率が高まっているように、カーテンも、リモコン一つで開閉可能な窓辺の電動化が進み、スマートインテリア時代の到来が予測されます。

窓辺はよりシンプルに、よりスマートな方向へと変化していくものと考えられ、窓まわり商品も、時代の変化、多様化するニーズへの対応力がこれまで以上に求められることになりそうです。

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